(交流戦、日本ハム8-2阪神、1回戦、日本ハム1勝、30日、札幌ドーム)日本ハム先発のダルビッシュは10奪三振、7回1失点の好投で7連勝とした。日本ハム打線は初回に小谷野のタイムリーで先制、その後も小刻みに加点し8得点。また、前日29日にプロ初長打を放った中田翔は、この日も七回に代打で出場したが空振り三振に終わった。
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札幌ドームの半分近くを埋めた虎党が静まり返るほど、ダルビッシュの剛球がうなりをあげた。
一回だ。四球と盗塁で一死二塁とされたが、鳥谷を151キロの快速球で三邪飛に。4番金本は141キロのカットボールで左飛に打ち取った。
二回は3者連続三振を奪い、五回先頭のDH桧山に右前打されるまで無安打投球だった。この回、二塁手・田中の失策で1点を失ったが、後続を断った。「試合前のブルペン投球から全開のストレートを投げていた。間違いなくことし一番のでき」とは厚沢投手コーチだ。
右腕はこれまで、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の影響もあり「疲れがとれにくいし、全身が張っている。体が思うように動かない」と漏らすことがあった。だが、もう大丈夫。完全復調だ。
3週間前。本拠地でWBCの優勝トロフィーのほか、金メダル、ユニホーム、スパイクなどがファンに公開された。
ダルビッシュは展示が終わっても自分の分を自宅に持ち帰らず、球団関係者に「保管しておいてもらえますか」と依頼。“勲章”の数々は札幌市内の寮に置かれたままだ。エースは世界一の栄光をいったん封印し、2年ぶりリーグ優勝に向けて邁進(まいしん)している。