横綱朝青龍(28=高砂)が「ファン太郎」ならぬ「シュン太郎」になった。日本相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は9日、東京・両国国技館で、前日8日に一緒にゴルフをした朝青龍と横綱白鵬(24)に対し、口頭で厳重注意した。10日初日の夏場所直前に誤解を招く行動を、同理事長は「軽率」とバッサリ。この日のゴルフ報道に当初は逆ギレ気味だった朝青龍だが、通算4度目の「注意」を受けたあとはショックを隠せなかった。
晴れ舞台で「お説教」を食らってしまった。国技館から出てきた朝青龍は、待ちかまえる報道陣を避けるように、肩を落としたまま、無言で車に乗り込む。東京場所前恒例の優勝額贈呈式。初場所の復活Vの感激を振り返る間もなかった。高砂親方(元大関朝潮)と白鵬、白鵬の師匠の宮城野親方(元十両金親)と4人で理事長室へ呼ばれた。前日に仲良くゴルフしたライバルと並んで約5分、怒られて頭を下げた。
コンペ開催の一報を前日に聞いた際は「気分転換じゃないの」と話していた武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も、一夜明けて対応した。「場所前で土俵に集中しなきゃいけない時に、軽率だよね。厳しく注意しました。本人たちは、申し訳ない、と言っていた」。前日8日、モンゴル出身8力士をゴルフに誘った。賜杯を争う白鵬や、初日に対戦する小結鶴竜も参加。「八百長騒動」で世間の目が厳しい中、誤解を招く行動に協会幹部も怒った。2横綱が同時に呼ばれ「注意」されるのは、極めて異例だ。
今回のコンペは朝青龍の後援者が主催し、3月には日程が決まっていたという。周囲に開催中止を意見する人もなく、朝青龍にも罪の意識はなかったのだろう。理事長に呼ばれる前は、思わぬ波紋に報道陣を「何やってんだ!」「何騒いでんだ!」とどう喝。逆ギレ気味だった。ところが、理事長室で通算4度目の「注意」を受けると一転。言葉を発する元気もなく、これまで必ず述べていた反省の弁もなかった。CMで陽気な「ファン太郎」を演じる朝青龍も、さすがにシュン…となっていた。
場所前恒例の「お騒がせ」を起こして、10日には夏場所初日を迎える。ゴルフに専念した前日に続き、この日もけいこは休み。3連休で、何かと注目の集まる鶴竜戦に臨む。1909年(明42)5月、旧両国国技館が完成してから100年。角界にとって節目の場所で、再び「十字架」を背負ってしまった。