自動料金収受システム(ETC)を利用した「1000円で走り放題」の高速道路料金値下げは29日、一部区間の料金二重取りが解消して完全スタートした。高速道路交流推進財団による四輪車用車載器の購入助成は28日に終了したが、自動車用品販売店では品薄状態が続いている。ETC車載器製造の大手3社中2社は大型連休も返上してフル稼働生産を続ける特需に沸いている。
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三菱電機で車載器を製造している姫路製作所(兵庫県姫路市)の稼働率は昨年12月から上がり、対前年比で2月から2倍のペース。部品供給が追いつかない懸念もあったが、めどがつき連休中も土日以外の休日返上で稼働させる。パナソニックはETC車載器をタイで生産しており、日本の連休中も土日以外は生産を続ける。政情不安に見舞われたが生産や出荷には影響がなく、平日は24時間のフル稼働だ。デンソーも外部委託先で土日返上で生産中だ。ただ委託先の都合もあり、連休中は休む。
自動車用品販売で最大手のオートバックスセブンは、3月の販売台数が前年同月比6倍に。4月は27日現在で同2倍強と伸び悩んだが、「供給が追い付かないためで、十分に納入されれば販売は増える」(広報)と言う。大阪市北区の「オートバックス出入橋店」の4月は同3倍の販売台数で、品薄状態が続く。28日は5台入荷したが、午前7時半から待つ客もあり午前10時の開店直後に売り切れた。