JRの高速値下げ対抗策が人気
高速道路の「土・日、休日1000円乗り放題」に対抗するため、JR東日本と西日本が割引切符の強化を始めた。中には発売1カ月で2万枚超を売り上げる異例の人気商品も出てきた。ただ、高速道路料金値下げは2010年度末まで続くため、景気で低迷する鉄道利用への回帰は容易ではない。JR各社とも長期戦力をいかに練るかが問われそうだ。
JR西日本によれば、3月10日に発売した新幹線「こだま」の指定席往復割引切符は今月7日までに累計2万3000枚売れた。料金を平均で約4割引き下げたほか、子供料金は一律3000円として家族層の利用増加を狙った。
例えば、新大阪-広島は通常より7980円安い1万1920円。子供料金は同区間で6950円安くなり、両親と子どもの3人ならば往復で2万6840円で済む。
高速道路料金は往復2000円なので、ガソリン代を含めても自動車が割安だが、同社は「新幹線には渋滞がなく、指定席なのでゆったりと旅行できる」と鉄道の利点を強調する。
こだまの指定席乗車率は2月まで17%と低迷していたが、割引切符の発売で25%まで跳ね上がった。
一方、JR東日本は、関東や南東北地域で土・日曜の2日間が一定料金で“乗り放題”になる切符「土・日きっぷ」を3月21日に発売した。購入者には駅レンタカーの小型車料金が2000円になるサービスも導入し、鉄道との相乗効果で利用拡大を目指している。
レンタカー料金は通常の7割引になる計算で、今月5日までの利用台数は当初想定の3倍超となる1355台となっている。
両社の対抗策はこれまで一定の成果をあげているが、高速道路料金の値下げは3月末に始まったばかり。すでにJR各社の鉄道利用は昨秋以降の景気低迷で、新幹線を中心に前年割れを続けており、値下げの影響が本格化すれば低迷に拍車がかかるのは必至だ。
このため、JR東海は割引切符など一時的な対策よりも「鉄道の特性を発揮し、利用促進に取り組む」と抜本的な対策に取り組む考えを示している。