深刻な食糧不足に陥っている北朝鮮の首都・平壌に昨年12月、金正日総書記の指示で、同国で初となる「本場」のイタリアン・レストランがオープンし、大人気を博していることが朝鮮新報が先週報じたことで明らかとなった。
同紙によると、北朝鮮政府はこのレストランのために、イタリアから小麦粉・バター・チーズなどを買い付けており、レストランを訪れたある北朝鮮人女性は「ピザやスパゲッティが世界的に有名な料理だとはテレビや本で見て知っていたが、実際に食べたのは初めて」と語ったという。
レストランの支配人によると、コックが本場イタリアの料理を再現しようとしたが失敗すると、イタリア料理を愛しているといわれている金総書記がコックをイタリアのナポリやローマに送って修業させたという。同店では金総書記の期待にこたえるために材料にこだわり、本場の味を忠実に再現しようと意欲的に取り組んでいる。
国内ではじめて本場のピザ屋がオープンする一方で、北朝鮮は深刻な食糧不足にあるとされる。国連食糧農業機関(FAO)によると、北朝鮮の人口の約4割(推定870万人)に対し、今年10月の収穫期までに推定80万トンの食糧援助が必要だ。しかしウッド米国務省報道官代行は17日の記者会見で、北朝鮮が昨年6月から米朝合意によって2年半ぶりに再開していた米国からの食糧支援を今月に入ってから「今後は受け取らない」と通告してきたことを明らかにしている。
支援を拒否する背景には「人工衛星」発射予告で米国などとの関係が緊張する中、北朝鮮が態度を硬化させていることがあるが、ウッド報道官代行は「支援は困窮した北朝鮮国民を助けるもので、失望している」と、北朝鮮政府の支援受け取り拒否に遺憾の意を表している。