女性が思いを寄せる男性にチョコレートを贈るバレンタインデーがここ数年で多様化している。厳しい消費環境が続く中、メーカーや百貨店は、消費者の心をとらえようとさまざまな工夫を凝らしている。
・写真 : パッケージのデザインが左右逆転している「逆チョコ」
≪パッケージも逆≫
森永製菓は男性から女性にプレゼントする「逆チョコ」を今年から本格的に普及させようと、タレントの高田純次さんと俳優の山本裕典さんが参加してのトークショーと、一般女性への逆チョコプレゼントのイベントを開いた。
同社の調査によると、男性の72.8%が女性にチョコを贈ってもいいと回答した。また女性の98.3%は男性からチョコをもらえるとうれしいと好意的に受けとめている。
それを受けて同社では、男性向けのバレンタインチョコとして、逆チョコにちなんでパッケージデザインを反転させた「逆ダース」(120円)、「逆カレ・ド・ショコラ」(315円)、「逆小枝」(179円)の3商品を期間限定で発売した。3商品で前年比で50%増の売り上げを見込んでいる。
逆チョコのほかにも、数年前から自分用や女性の友人へのプレゼント用に購入するなど、年を追うごとに多様化が進んでいる。百貨店もこの動きに敏感に対応している。
プランタン銀座は、今年初めてブロガー限定のチョコの試食会を開いた。日本初上陸やほかでは絶対手に入らない限定チョコ、しょうゆや焼酎を加えた和風チョコ、斬新なデザインのビジュアルチョコなど個性的な約35種類を23人が試食した。
プランタン銀座では「ネットで情報収集したうえで、じっくり比較検討して購入する女性が増えている。参加者にはブログで率直な感想を発信してもらいたい」と口コミに期待する。
≪根強い「手作り派」≫
多様化と高級化の一方で、手作りにも根強い人気がある。明治製菓では2001年から手作りチョコを提唱。今年もサイトで約200のレシピを公開し、コンテストを実施して盛り上げる。「手作りチョコを定着させた」(広報)との自負から今後も地道に取り組んでいく。
プランタン銀座が今回実施したバレンタインアンケートによると、消費者の財布のひもが固くなる中でチョコレートにかける予算の減少が予想されたが、「本命」「義理」「自分用」ともに前年より上回った。夢のあるイベントであるバレンタインデーに、手ごろな値段で買うことができるチョコを予算を削らずに奮発しようという心理が感じられる。
義理チョコ復活の動きもみられる。今年のバレンタインデーは土曜日で会社や学校が休みであるにもかかわらず、義理チョコの予算は1172円で02年の調査開始以来の最高を記録。身近な人への感謝の気持ちを示すための、中元や歳暮のような季節のギフトとしての役割が定着しつつあるようだ。