KY(空気が読める、読めない)が、人間関係の鍵を握る昨今。とうとう空気を読んでくれる玩具が登場した。発売は20年9月。小さな葉っぱに話しかけると、2枚の葉を揺らしたり、茎を大きくかしげたりして、うなずいてくれる。
・ブログをケータイ小説大賞作品っぽく変換
「音に反応しているように見えますが、実は会話のリズム、つまり、空気を読んでいます」
こう説明するのは、開発担当者でデジタルエンタテインメントマーケティング部の池田弥代さん(28)。試しに「元気?」と声をかけると、「うん」と答えるかのように、絶妙のタイミングで葉っぱが“首”を縦に振る。家庭や職場での「話し相手」として、販売3カ月で5万個を売り上げた。
通常、こうした商品開発は長くて2年だが、こちらは5年。試作品も「普通の30倍は作っています」。かわいい外見ながら、使われているのは高度な技術だ。それが「KYプログラム」。岡山県立大学の渡辺富夫教授(知能情報処理学)による「うなずき理論」をベースに実用化された。
この理論は、人間は会話する際、うなずくなどの動きにより円滑なコミュニケーションを行っているということに着目したもの。開発当時、注目を集め始めていた「KY」から名付けられた。また、「バイオメタル」という技術も採用。電流を流すと筋肉のように動く細い繊維状の装置で、生き物のような動作が可能になった。
当初は、こうした技術への興味から男性購入者が多かったが、インターネットなどで評判が広まり女性にも人気に。購入者の半数が30、40代と予想よりもやや高めの年齢層に受けている。6月には花をモチーフにした新商品「花っぱ」を発売予定だ。
「お父さんは空気が読めないから勉強になるかも、と娘さんが買っていかれたこともあります」と池田さん。「話を聞いてもらうと癒やされる」という声が多く、「生活に取り入れていただければ」