◇大相撲初場所6日目(16日、東京・両国国技館)
【写真特集】大相撲初場所 主な取り組み
相手は、名古屋、秋場所と2連敗した豊ノ島。テレビで流れる過去の対戦映像をちらりと見上げ、朝青龍は何を考えたか。「(連敗は)意識してない」とはいったが、付け人相手の準備運動はいつになく熱がこもる。
ともに左の相四つ。2敗はいずれも土俵際での攻防から喫しただけに、組んで長引かせたくなかった。「起こして、起こして、起こして、前に出た」。左手がついたかどうか分からないほど微妙な早い立ち合いで踏み込み、痛めていた左手一本で強烈なのど輪。相手得意の左差しを右のおっつけで防ぎながら、のけぞる相手を一気に運び、まったく相撲を取らせなかった。3秒足らずの速攻劇だ。
気持ちの高ぶりが収まらないのか、風呂上がりの支度部屋でも表情は厳しいまま。だが、慎重な相撲が目立った序盤から一転、今場所初めて見せた相手を圧倒する内容に「いい相撲だ」。自賛の言葉が口をついた。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)も「いろいろ言われる中であれだけ力が出せるのは、秘めた精神力の強さがあるんだろう」とたたえた。
進退報道ばかりが先行した復帰場所。「調子は上がってきたか」。毎日繰り返される質問にも「まだまだ6日目。初日だよ」。周囲のけん騒も力に変えて、淡々と白星を重ねていく。