障害者団体の定期刊行物に適用される郵便料金割引制度「低料第3種郵便物」を悪用し、複数の企業がダイレクトメール(DM)広告を格安で郵送していた問題で、日本郵政グループの郵便事業会社は24日、不正利用の調査結果を総務省に報告した。
同社によると、この制度を使った郵便物は07年度に1億2227万通、08年度(10月末まで)に6588万通。うち07年度は全体の84%に当たる1億262万通、08年度は68%の4512万通が、悪用されていたことがわかった。封書の郵送は、通常の1通80円に対して8円になるので、正規料金との差額は2年間で総額約46億円に上る。同社は、刊行物の発行団体などに差額を請求する方針。
制度の承認を受けた刊行物は10月1日現在で217件、うち悪用を確認したのは17件。同社は17件中11件の承認を取り消し、6件は廃刊届が提出された。残る200件は来年3月までに調査する。
17件のうち16件は07年度に100万通以上郵送された。号外や増刊としてチラシを大量郵送するケースが多く、1年間で1400万通郵送された刊行物もあった。
郵便事業会社は「チェックが甘く、悪用を把握できなかった」としており、調査体制を厳格化し、再発防止を図る。