全国的に自動料金収受システム(ETC)の売り上げが伸びている。政府が総合経済対策の一環として九月中旬から実施する、ETCの利用を条件とした高速道路料金の割引が要因。松江市内の車用品店では、十一月の売り上げが前年比の約四倍を記録するなど山陰両県でも好調だ。
「ここ三カ月くらいで急激に売れるようになった。やはり割引の影響は大きい」。松江市学園南二丁目、イエローハット松江店の板垣康成店長は驚きを隠せない。休日昼間割引が導入された九月は前年比三・五倍、十、十一月も二―四倍の売り上げを記録した。
別の車用品店の担当者は「十月末の麻生太郎首相の『休日はどこまで行っても最高千円』という記者会見で注目を集めた」と分析。「発言後の週末からお客さんが殺到し、後日、あらためて取り付けをお願いしたケースもある」と、うれしい悲鳴を上げる。
利用者の評判も上々だ。松江市黒田町の会社員浜崎翔太さん(19)は十一月にETCを購入した。「山口県の実家へ帰省する時、高速道路を利用する。ETCの値段は手ごろだし、割引があったから買った」と話す。
西日本高速道路中国支社によると、山陰両県の十月のETC利用率は、前年をともに6%上回り、島根県は65%、鳥取県は70%に達したという。
一方、「料金の割引はいいことだけど…」と表情を曇らすのは、松江市東津田町の福山通運松江支店の佐々木文雄支店長。既にETCを導入しており「割引で経費が節減されても、燃料代に比べると微々たるもの。どうせなら軽油を値下げしてほしい」と嘆いた。