「信念」のあるビジネス

著者: 斎藤 駿
タイトル: なぜ通販で買うのですか
「通販生活」でおなじみのカタログハウス社長である斎藤駿氏の著書。
「通販で買うこと」とはどういうことなのか、という分析は、当然そのビジネスを実行している人の立場からの意見なので説得力があり興味深い。
しかし、なにより興味深いのは「通販生活」の基本理念が明確であること。
「買う人を特定して具体的な使用価値を訴求する」とか「企業の信用は広告だけではなく本業・本業以外の活動による」など、ちょっと考えれば当たり前にみえてしまうが、実践するのは難しいことを地道にこなしていることがわかる。
カタログハウスの売り上げは大手通販業者に比べれば4分の1ほどであるが、大手通販業者がユニクロなどの低価格アパレル小売に押され、コスト削減に追われ、とくにこれといって差別化ポイントのないカタログを年間40種類も刊行してやっとそれだけの数字を積み上げていることを考えれば、かなり優秀な数字であるように感じられる。
本書を読むと、莫大な利益は出ないかもしれないが長く愛される企業、そういった感じを強く受ける。
信念を持つというのは悪くないことなのだ、と感じさせてくれる本である。
(仕事はおろかただ生きているだけで信念を曲げざるを得ないことが多いからね)