スーパー猫の日か…。

でも、特に猫の話題ないんだよなぁ…。

あ、ちょっと待てよ。

よくよく考えたらあるじゃん、猫の日のネタ。





ランジャタイ『風猫』





言わずと知れた、M-1の決勝ネタである。

これを初めて見たときの衝撃語りでも。

実は、ランジャタイの名前自体は知っていたのです。
そのむかし、ぺこぱにどハマっていた時期にインターネット番組でM-1の話題になり、その時にミルクボーイさんのウケ具合に対して「手の付けられない時のランジャタイのウケくらいすごかった」という発言があったのです。
ただそこから特段調べるわけでもなく、また定期的に見ている『有吉の壁』も出ていたのにも関わらず一年くらい見てなかったこともあって、ランジャタイのネタについてはほぼほぼ知らないまま『風猫』を観ることになるのです。

で、見たのは公式で上がっているネタ動画。一応、Twitter で盛り上がりは確認していたのですが、当日は出先にいてオンタイムで見れなかったので、帰って真っ先に観たのが、錦鯉の決勝ネタ、ファイナルラウンドネタ、そして『風猫』。

まず、『風猫』の序盤。
変な話、身体の動きだけで、笑いを取ろうとしていると思ったのです。実際、それだけで面白いし。というか、右でメチャクチャ動いている国崎さんと、左でほぼほぼ微動だにしない伊藤さんの対比が面白いんですよ。で、リアクションが少なすぎるなぁと思いつつ、笑ってたんですけど、これだとトレンドに入るまでではないかなぁと思っていたのです。

いたのですが。

途中、猫が国崎さんのなかに入って、とにかく身体の中を暴れ回るわ、操作されるはでめちゃくちゃな動きをしていると。その真っ最中に突然、マイケル・ジャクソンのスリラーの動きになるわけです。ただ、ここまでだと、まだ悪ふざけの延長だなって思うのですが。そのあと、ムーンウォークは決めたんです。



あ、この人、ホンモノだ!



みたいな。
いや、何がどうホンモノなのかはまったくわからないんですけど、とにかく “ホンモノだ” と思ったんです。
まあ、でもここまではあくまで、国崎さんのマイム力が凄いだけで、漫才としてどうこうではないな、とも思っているわけですよ。左の微動だにしない人は必要なのか?みたいな。
しかし、ですよ。あまりにもしつこく続ける国崎さんに対する一言。



「自分の意思でやってない?」



このツッコミですよ。
これで、やられたんですよ。
いや、どうしてやられたのかは分からないんですけど。
でも、よくよく考えるとおかしくて。
そもそも、舞台上の国崎さんには、猫は入ってないんですよ。あくまで、演技ってだけで。ただ、経験談としてそれを語って見せると。で、あたかも本当に猫が入ってると観客に錯覚させる。そしてその世界観を受け入れるからこそ、伊藤さんが猫の意思と国崎さん本人の意思の相剋を、国崎さんの身体に見出すわけですよ。しかも、本来的には迷惑しているはずなのに、猫以上に、国崎さん自身が遊び出しちゃってる。この、あべこべの状況をただの一言で喝破する「自分の意思でやってない?」が、ツボに入っちゃって。

そして、極め付けはラストのはける時。

本人たちが、リハとは違う終わりをした結果、暗転が遅くなったんですよ。で、そのことに気づかないまま、後ろに引っ込もうとするのだけれど、暗転しないことに気付いて、振り向くんです。その瞬間のキョトンとした感じが好きで。さっきまであんなメチャクチャな漫才をしていたのに、こんな暗転ひとつで、振り向いちゃうの、面白いなぁと。
あの、絶妙な距離感とタイミング。全ての構図が完璧なんですよ。

さらに面白い事実が、このネタフル尺だと9分あるのに、M-1用に前半4分で終わらせていたということ。短く纏めるんじゃなくて、スパッと終わらせる。そして、フル尺のバージョンを興奮冷めやらぬなか、即座に自身のYouTubeチャンネルに上げる用意周到さ。ここら辺の戦略のうまさは、相席食堂後の角刈り動画にも現れていて、面白い。

そんなわけで、見事にランジャタイ沼にハマった私は、今やランジャタイを見るだけで笑ってしまうという末期症状に入ってるというわけ。





お陰で、毎日が楽しい。