異常な設計監理料は人件費を見ればわかる | マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

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破綻する長期修繕計画の改善、マンション管理委託品質向上や大規模修繕工事のムダやムラを適正化する管理組合コンサルタントをしています。

 ここで、談合・リベートを前提としているコンサルタント(設計監理者)の出してくる設計監理料が、いかに異常な安さになっているかということが理解できる数字を説明しましょう。

 

 たとえば、コンサルタント(設計監理者)が人件費の見積りとして、1人当たり2~3万円/1日という金額を提示してきたとします。

 

 仮に、コンサルタント(設計監理者)の担当者が年収600万円の社員の場合、週休2日で、祝祭日や有給休暇なども考慮し、1年間にフル稼働で働けるのが240日だとすると、単純計算で年収600万円÷240日=約2万5000円です。

 

 会社側にしてみれば、社員には給与以外に健康保険や厚生年金保険、雇用保険などの各種保険料、通勤手当、通信費や間接コストなども必要になるので、通常は給与の2~3倍の人件費がかかることになります。つまり、1人当たり約5~7万5000円/1日のコストがかかるわけです。

 

 そこから考えると、例に挙げた1人当たり2~3万円/1日という金額では、完全に赤字になることがわかります。本来なら、そんな金額で見積りを提示できるわけがないのです。

 

 このように人件費を冷静に計算してみれば、誰でもコンサルタント(設計監理者)が提示する見積金額の異常な安さに気がつけるはずなのですが、「安ければいい」という意識が強いため、そうした判断もできなくなっているのです。

 

 一方で、他社も同じような金額で見積りを出してくるので、そのくらい安い金額を提示しなければ、自分のコンサルタント(設計監理者)が受注するのは難しいという現状があります。そして、はなから赤字が見えているような設計監理料ではとても経営は成り立ちませんので、工事業者に「確実に受注させる代わりにリベートを要求する」ということが不可欠になるのも当然のことといえるでしょう。

 

 ですから、管理組合のみなさんは、コンサルタント(設計監理者)を金額の安さだけで選んではいけません。かといって、高ければいいというわけでもありません。そのコンサルタント(設計監理者)が談合・リベートに荷担していないか、その中身と裏側にあるものをしっかりと見極めることが求められるのです。