1点もののオーダーメイド制作である建築工事は、建物の瑕疵問題が案外多いことで知られています。そこで10年目手前で瑕疵点検を実施するということを徹底していただきたいと思います。主要構造部や防水部分は品確法で定められた瑕疵担保期間が10年となっているために、その1日でも手前で不具合を確認しておくことをおすすめしています。
では、引き渡し後の10年の保証期間を過ぎてしまったらどうなるのでしょうか。
「うちのマンションはもう11年目なんです。10年目できちんとやっておけばよかった」という相談を受けることがありますが、実は10年を過ぎてしまったらもう対応してもらえない、ということではありません。
もし10年目の時点で、主要構造部分などに瑕疵が確認されていれば、15年経っても、20年経っても、その瑕疵への対応をデベロッパーに請求することができるのです。ただし、11年目以降に発生した劣化については経年劣化とみなされるので、それは保証の対象にはなりません。そこで、瑕疵問題に対しては、たとえば9年11か月目に、管理組合とデベロッパーが一緒になって、建物を丸一日かけて見て回るといいでしょう。その際、主要構造部分のひび割れや防水の膨れなどが見つかれば、写真を撮って確認し合います。
まずは10年目の手前の時点で、建物に不具合部分があることを、管理組合とデベロッパーの両者で確認することが理想的です。それらの不具合について、どう対処するか、どこまで保証してもらえるか、というような詳細についての話し合いは、10年目以降に行っても問題はありません。
ところが、この10年目前の確認作業もできていない場合が多々あります。それでも諦めないでください。後で発見された建物の不具合のうち、経年劣化ではなく、明らかに新築時点からの不具合だと認められる場合もあります。また、管理会社は年に一度、建物・設備の定期点検を実施していますが、その報告書の内容から10年目の不具合が確認できたというケースもあるのです。
建物の不具合が見つかったら、デベロッパーときちんと交渉し、受けられる保証はきちんと確保するように運びたいものです。私達の経験では、よく見かける瑕疵は、タイルが浮き・耐震スリットの不具合・鉄筋のかぶり厚不具合などです。みなさんご注意下さい。