「緊急事態宣言」と「マンション管理組合」 | マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

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破綻する長期修繕計画の改善、マンション管理委託品質向上や大規模修繕工事のムダやムラを適正化する管理組合コンサルタントをしています。

新型コロナウイルス感染者の拡大とともに「緊急事態宣言」の発令で、管理業務が停滞しているマンションが多発しています。大きくは管理組合の問題と、そして委託している管理会社の問題です。

 

まず本日は、管理組合の問題から紐解いていきましょう。三密の状況を回避する目的から、理事会や総会、そして説明会などを延期している管理組合が圧倒的多数です。特に総会は、区分所有法において「管理者又は理事が,少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない」とされ、集会において毎年1回一定の時期にその事務に関する報告をしなければならないとされていますが(区分所有法第34条第2項,第43条,第47条第12項,第66条)、前年の開催から1年以内に必ず集会の招集をし、集会においてその事務に関する報告をすることが求められているわけではありません。

 

実は法務省から「今般の新型コロナウイルス感染症に関連し,前年の集会の開催から1年以内に区分所有法上の集会の開催をすることができない状況が生じた場合には,その状況が解消された後,本年中に集会を招集し,集会において必要な報告をすれば足りるものと考えられます。」とパブリックコメントが出ております。

 

それから、当社で顧問をさせて頂いてるマンションでは、かなりの管理組合でzoomなどのオンライン会議システムを利用して、理事会をすでにやっていただいております。総会をオンライン会議でやるには、大型マンションだと難しい部分があると思いますが、小規模マンションであれば可能性は十分にあると思いますし、理事会であれば、人数的にはオンライン会議で問題ないでしょう。ただし、自宅からオンライン会議に出席するのはパソコン又はスマホが必要なことと、簡単なスキルが必要になってきます。

 

ここからは、あくまで私見です。特に理事会に焦点を絞って、マンション標準管理規約53条は「理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。」そして同条コメントでは、「理事会に出席できない理事について、インターネット技術によるテレビ会議等での理事会参加や議決権行使を認める旨を、規約において定めることも考えられる。」とするとオンライン会議システム採用のために、本来は、管理規約に事前に定めておく必要があります。

 

ただ、緊急事態宣言の現時点で管理規約改正のために総会を開くのでは本末転倒ですね。では、現在の規約の解釈でどうにかならないか?そもそも「出席」の概念に、その場にいることまでは求めないように法令もなってきており、オンライン会議システムを利用した形での出席による理事会開催も可能性は十分にあります。

 

あとは念のため後日開かれた理事会で再度上程し追認、と念押しをすればよいかと思われます。なお役員の一人でもこの形式での開催に反対した場合や、いささか揉めている理事会なども慎重に進めるほうが得策だと思います。