建物調査・診断の結果にもとづいて、工事項目、工事範囲、工法、仕様などを決定し、設計図書(図面、特記仕様書、設計予算書)を作成します。
ここでのポイントは、「修繕」とするか、「改良」とするか、という部分です。修繕とは、新築時の機能性能レベルを実用上支障のない状態まで回復させることを指します。改良とは、読んで字のごとく、新築時の機能性能レベルよりもグレードアップさせ、新しい機能や性能を付加することなどを指します。ちなみに、「改修」という言葉がありますが、これは改良と修繕が混在しているレベルをいいます。
設計においては、この改良をどれだけ取り込むことができるかという点が重要だと考えます。大規模修繕工事の周期が5年延長されると、長期修繕計画表上の全体コストが約3割下がることは、これまで説明してきた通りですが、足場を全体にかけて実施する大規模修繕工事の機会に改良を上手に取り込むことで、次回の大規模修繕工事の時期を延ばすことにつながるのです。
たとえば、塗装・防水の耐久性・耐候性・耐汚染性などについてグレードアップを図ることで、次回の大規模修繕工事の目標を15~20年目とする計画にできます。