大規模修繕工事を成功させるためには、まさに“イベント”として、お祭り的に全区分所有者をあげて実施することがポイントです。
通常、大規模修繕工事は、「調査」「計画」「工事業者選定」「工事の実施」と2~3年の期間を要します。これらの工程を、1~2年周期で理事の改選がある理事会でスムーズに進めていくことは非常に難しいので、理事会の諮問機関として、専門委員会などのプロジェクトチームを立ち上げるといいでしょう。
そのチームには一定レベルの予算をつけましょう。たとえば、お茶代として会議費を用意します。昼食や夕食の時間をはさむ場合には弁当も用意するといいでしょう。そして、マイルストーンごとに打ち上げの席を設けて、“飲みニケーション”を行うことをお勧めします。
大規模修繕工事は専門的な知識が必要とされ、素人集団である管理組合には荷が重いのが現実です。そんな大仕事を楽しく進めるには、チームの仲間を大切にしながら、みんなでワイワイ盛り上げていくことが重要で、そのためにもコミュニケーションを図ることは必須です。
できれば、工事が始まったら、工事業者の担当者や設計者、そして職人さんも交えて飲みニケーションを行ってみてください。私自身も職人や現場所長の経験があるのでわかるのですが、工事業者の担当者や職人さんは、施主である管理組合とコミュニケーションを取ったり、会話をする機会が少ないものです。
特に、職人さんには「やり甲斐」を感じてもらえるようにするといいでしょう。現代の職人さんは、「お金で動く」というよりも「心で動く」という人を多く見かけます。つまり職人さんが、「このマンションの仕事は丁寧にやろう」とか、「住民の皆さんによくしてあげよう」などと思うようになるかどうかは、発注者である管理組合の心がけ次第で決まるわけです。職人さんも人の子ですから、心が通い合えば、丁寧ないい仕事を心がけていただけるはずなのです。
そのようなわけで、私たちは特に職人さんとの飲みニケーションを心がけています。ぜひ皆さんのマンションでもチャレンジしてみてください。きっといいことが起こります。そのためにも、前述のように会議費や弁当代、親睦費など、ある程度の予算を取っておく必要があります。
理事会や専門委員会などのプロジェクトチーム、工事業者の関係者、そして職人さんとのコミュニケーションを図りながら、大規模修繕工事という一大イベントをお祭り気分で盛り上げて、ぜひ成功に導いてください。