マンション管理会社は、掃除や防災、機械・設備の保守点検といった業務のほとんどを専門業者に外部委託しています。
管理員を人材派遣業者から派遣してもらっているケースも多い。
金銭の出納管理や管理組合への報告・連絡などは確かに重要な業務ですが、引き落としは銀行がやってくれるし、出納管理も市販のパソコンソフトを使えば簡単にできてしまいます。
それほどのノウハウが必要なわけではありません。
むずかしい仕事はほとんど第三者に委託してしまい、特殊な技術がなくてもできてしまう、誰もが簡単に参入できる事業です。
このため大手から零細まで、おそらく千社以上のマンション管理会社があると思います。
ノウハウの代わりにこの事業に必要なのがコネクションです。
親会社がデベロッパーで、自動的に仕事がおりてくるといったコネクションがあれば、誰にでもできるのがマンション管理だと思います。
つまり管理会社にあるのは、ノウハウではなくノウフーです。
仕事をまわしてくれる人を知っている。それだけで成り立ちます。
ノウハウはいらないノウフーだけでいいのです。
ところで本当に管理会社にはノウハウなんて必要ないのでしょうか。
いま管理組合から管理会社に対する要求は、急激に高くなっています。
掃除なんてよくできて当たり前。
評価すべきものですらない。
エレベータだって故障がないのは当然。
よそにはない技術をもっている、よそにはないサービスがある、そんな会社ならお客さんの信用を勝ち取ることも容易ですが、誰もができる仕事となると、普段の仕事ぶりにとかく粗が目に付きがちです。
だからこそ管理組合のありとあらゆる要求にプロとして応えられることが重要になります。
一見、誰にでもできそうな仕事であるだけに、逆に本当の意味でのマンション管理のプロになって、管理組合の信頼を勝ち得なければ、いい管理が実現できない。
そういった時代がきているだろうなと思います。
その意味では、マンション管理は誰にでもできるけれども、非常にむずかしい、誰にもできない仕事だともいえます。