お客さんは薄情もの | マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

マンション管理組合コンサルタント ㈱CIP須藤桂一の日記

破綻する長期修繕計画の改善、マンション管理委託品質向上や大規模修繕工事のムダやムラを適正化する管理組合コンサルタントをしています。


これも、今朝の日経新聞「春秋」より。

「お客様は薄情もので、わがままで、飽きっぽく、移り気がはげしい。」ということは、自分も含めて、サービス提供者としてしっかりと心得なければならないと思った。

********************************
 新宿末広亭の楽屋は畳敷きで8畳ほどしかない。取材で訪ねた折、出を待つ芸人さんたちでごった返していたので2階へ通じる階段の途中に避難していたら、名の通った落語家にやんわりたしなめられた。「そこに立ってられると、客足を止めるっていって縁起が悪い」

▼験担ぎがいかにも寄席らしい。それも「お客さんあってこそ」だからだが、その客が集まらず、名古屋の大須演芸場がおととい店じまいした。家賃をため、裁判所に明け渡し命令を受けてのことである。最終日は演芸場を閉鎖する強制執行官が開演中に現れ、満員の客が嫌みの拍手で迎えるという人を食った幕切れだった。

▼この世界で「つ離れ」という。1つ、2つと数えていって10には「つ」がつかない。だから客が10人集まればめでたく「つ離れ」。その符丁で、寄席を知らぬ方もガラガラの客席が目に浮かぶだろう。なかでも大須演芸場は極めつきだった。止まる客足を相手に半世紀近い歩みを刻んだというのが、むしろあっぱれである。

▼1970年に東京の人形町末広が閉まったとき、いっぱいの客を見て「普段からこうやって来ないから潰れるんだ」と毒づいたのは立川談志師だったか。お説の通りで、ずっと見向きもしなかったのになくなると知れば慌てて残念がる。寄席に限らない。こうして店もブルートレインも消えていく。お客さんは薄情なのだ。