日経新聞今朝のコラムより。
激しく同意した。私たちの建設業界やマンション管理業界にも供給制限は起こるのであろうか?自分に身を当てはめてみると、おかしな現象だと思う。
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自民党などがタクシーの規制を強化する議員立法の法案を月内にも提出し、今国会での成立をめざすという。だが、中身は問題が多い。自由化路線に逆行し、市場競争の活性化や消費者利便の向上を妨げる恐れがある。
タクシーは2002年に政府による需給調整が撤廃され、新規参入や増車が原則自由になった。
しかし、その後、仙台など一部地域で「台数が増えすぎて、運転手の生計がたたない」などと社会問題化し、09年から再規制が始まった。今では東京や大阪を含むほぼすべての大都市で、増車や新規参入が制限されている。
新法案はさらに規制を強め、競争の激しい「特定地域」では時限的に新規参入と増車を禁止する。加えて所定の手続きを経たうえで、地域のタクシー会社全社に一定の比率で減車を強制するところまで踏み込む。
かつて通商産業省が多用した業界の合意で過剰設備を廃棄する合理化カルテルが、21世紀の今に復活したような印象を受ける。
だが、本当にここまでの措置が必要だろうか。09年の再規制後、運転手の平均年収や台当たりの売上げは底打ちし、景気回復に伴ってさらに上向く可能性もある。そんな時期にあえて規制を強める意味がよく分からない。
そもそも供給過剰という理由で、当局や既存業界が需給調整に乗り出すのは正しいことなのか。
今の日本で外食チェーンから半導体産業まで供給過剰気味の市場にこと欠かない。これらの分野にタクシーと同じ処方せんを当てはめ、「新規参入禁止」や「供給力の強制削減」を実施すれば、各市場の縮小均衡は止まらず、日本経済全体の活力も衰えるだろう。
各企業が創意工夫を重ねて競争し、そこで敗れたプレーヤーが退出することで、需給が再び均衡する。これが本来の道筋である。
仮に規制強化の流れが避けられないとしても、2つ注文したい。1つは自民党の有力者や国土交通省も同意する「規制強化はあくまで時限措置であり、基本は自由競争」という原則の確認である。
もう1つは強制減車などができる「特定地域」の範囲をできるだけ絞り込むことだ。例えば東京23区は大多数のタクシーの初乗り料金が認可運賃の上限の710円に張り付いている。これでは供給過剰とはいえず、特定地域の要件を満たさないと考えるべきだ。