本日の日経新聞コラムを読んで、こんなことがあったんだ!と勉強になりました。
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山開きの長い行列に並びながら、ふと疑問を抱いた登山者もいるだろう。富士山は誰のものなのか。世界文化遺産といえども、それが土地である以上所有権は必ず誰かに帰属する。静岡県庁にたずねると、8号目から上は神社の富士山本宮浅間大社の敷地なのだそうだ。
富士山の山頂部の持ち主の変遷は、争いの歴史である。江戸期の初めまで駿河と甲斐の国が一歩も譲らず、徳川家康の裁定によって浅間大社に与えられた。明治維新で国の所有となったが今度は国と浅間大社の間で裁判が始まる。現在の形に落ち着いたのは、ようやく1974年(昭和49年)に最高裁判決が出てからである。
大切な場所であるほど、いざこざが起きやすい。南シナ海もそうだろう。中国と東南アジアの国々が領有権を主張し、一触即発のにらみ合いが続いている。ブルネイで開いた外相会議では、中国が海上活動のルールづくりに合意したが、どれほど本気なのかは分からない。力に物を言わせた実効支配の思惑が見え隠れする。
富士山の所有権は流転したが、それで何かが変わったわけではない。山頂部の不動産の登記書類も実際には存在しないそうだ。頂上の施設は分担して静岡県と山梨県に税金を納め、事件が起きれば両県の県警が協議で担当を決める。力ではなく話し合いによる問題解決。やはり富士山は日本が世界に誇る平和の象徴である。