マンション屋上の携帯基地局差止裁判 原告敗訴
延岡市のマンションの屋上に設置されている携帯電話の中継アンテナの周辺住民などが、耳鳴りなどの健康被害を訴えて大手通信会社のKDDIにアンテナの運用をやめるよう求めていた裁判で、宮崎地方裁判所延岡支部は17日、住民側の訴えを退ける判決を言い渡しました。
この裁判は、宮崎県延岡市のマンションの屋上に設置されている携帯電話の中継アンテナの周辺住民など30人が、耳鳴りや頭痛などの健康被害を訴えて携帯電話の「au」を展開するKDDIにアンテナの運用をやめるよう求めていたものです。
宮崎地方裁判所延岡支部で開かれた17日の裁判で、太田敬司裁判長は「原告らが提出した研究論文や調査報告には内容の偏りを批判する指摘もあり、電磁波による健康被害の科学的・医学的知見の存在を認めることはできない」と指摘しました。
その上で太田裁判長は、「この中継アンテナの電磁波は明らかに健康被害を生じさせるほど強力なものとは認められず、電磁波と原告らの健康被害との因果関係の立証は不十分と言わざるを得ない」と述べ、住民側の訴えを退ける判決を言い渡しました。
判決について原告弁護団の団長のとく田靖之弁護士は「健康被害はあるが、思い込みや不安による可能性もあるので、電磁波によるものだとはただちに認めるわけにはいかないという結論で、全く不当としか言いようがない」と述べ控訴するかどうか検討する考えを示しました。
一方、KDDIは、「適切かつ妥当な司法判断が下されたと受け止めています。今後も電波の安全性に住民のご理解を頂けるよう引き続き努めていく所存です」とコメントしています。