いつも有難いと思うことに、
父母は健在だが、
祖父母もいまだ健在だ
といっても父方の祖父は、父が3歳のときに
戦争で船ごと海に沈み、
以後、祖母が父と父の弟の二人を
文房具屋一筋で育てあげた
狭く暗い借家は汲み取り便所で風呂もない
幸い文房具に困らなかったので父も弟も勉強して、
奨学金で学校へ通った
父も弟も独立して祖母は長いこと、
一人文房具屋暮らしをしていたが、
いよいよ足元がおぼつかなくなってきて、
父が引き取った
しかし母とそりがまったく合わず、
祖母自ら老人ホームを探して、そこに入った
入ってしばらくして、痴呆が始まった
ショッピング一つ、旅行一つ行けてない
祖母の人生ってなんだろう・・・
思うと胸がいっぱいになる
実家に帰るたびに会いに行くようにしているが、
私の顔はわかるものの、娘を見て
「あれ、ひい孫が生まれていたんか!知らんかった。
誰っちゃ教えてくれなんだ。」
と果てしなく繰り返し言う
そのうち私の顔もわからなくなるかもしれない
祖母は今年96歳で、今入っているホーム最年長だ
痴呆はあるが、体のほうは特になんともない
もしかしたら100の大台にいくかも・・・
。..。.:*・゚゚・*:.。..。.
一つだけ心配ごとがある
祖母は96歳、母方の祖父・祖母も80歳代でいまだ仕事現役
母方の曽祖母は数年前亡くなったが、102歳だった
つまり私の中には、
双方の長寿の血が流れている、
可能性がある
ちょっと怖い・・・
ヤップ島に潜りにいったことがある
グアム(またはサイパン)から小型セスナで1時間の
本当に小さな小さな島
観光地化もほとんどされておらず、
いまだ石のお金も使用されており、
原住民は昔のままの素朴な生活を送っている
ダイバーにとってはマンタが見られることで有名な島だった
空港に降りると、痩せて小さな日本人のおばちゃんが待っていた
サイパンの知り合いに紹介してもらった、
現地ダイビングサービスの人だ
おばちゃんは従業員一人だけの小さなショップで
ショップの経営からインストラクターまで
すべて一人でこなしていた
親しくなっていろいろ話すうち
おばちゃんは身の上話を始めた
もともと現地人が開いていたこのショップで、
雇われインストラクターとして働いているうち、
ショップ経営者と不倫関係になった
相手の奥さんとドロドロにもめていたら、
そのうちふいに、経営者が病気で亡くなってしまった
おばさんはこのショップをつぶしたくなくて、
後を継ぐことに。
以後10年、ずっと一人でがんばっているんだと・・・
「まさかヤップにこんな長く住み続けるなんて、
思いもしなかったよ。
寂しいけどさ、いまさらここをたたんで、
日本に帰ることもできないし」
しわだらけの梅干おばちゃんの顔が、
くしゃっとなった
そんな人生もあるんだ・・・
ちょっとせつなくなった
私はそうやって思い出だけを胸にずっと一人で生きていくなんて、
考えられないなぁ
でもいつかうんと年をとったら、そういうこともあるのかな
5日間の滞在でマンタに2度会えて、
長年の思いがかなった
でもなんだか、しんみりしたヤップ島滞在だった