読書家ではない。
先日、家族の誰かが「春休みに城崎温泉に行こうじゃないか」と言い出し、
総スカンを喰らってたけれど、そういえば『城の崎にて』って読んだことないな、と
書棚よりオモムロに引っ張り出して読み始める。
こういうことを書くと、お前はなんて感性の乏しいヤツなんだと叱られそうですし、
一部星新一ファンからは、一緒にすんなと思われるかもしれませんが、
読み進めていくと、ショートショートの私小説っていうのでしょうか( ・ω・)
ワタクシが目を通しておるのは『小僧の神様・城の崎にて:志賀直哉/新潮文庫』で、
短編集のようでございます…が、その割にまだ読了していないのは理由がある。
18のお話があるうちの13番目まで読んでみての率直な感想。
『小僧の神様』と『転生』以外、「ふーん…で?」って思っちゃったのですね?
こころの動きも含めて半日の出来事を、あそこまで細かく書くことが、
アンタにはできるのか?と訊かれたら、自信を持って「ない」と言えよう。
けれども、この作品たちにお金を払いたいか?と訊かれたら、
きっと「そうでもない」と答えるかもしれない。
好みの話なので、ワタクシには志賀直哉の短編は肌に合わなかったのかもしれない。
長編も読んでないのでワカランが、存外『暗夜行路、いいね!』なんつって
ひとり鼻息を荒くするなんてことは絶対にない、とは言い切れないからね?
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サテ、『小僧の神様』には思い出がある。
あれはワタクシが小学校低学年のときの夏休みの昼下がり。
母親と一緒にヒルネから起きたものの、暑くてウダウダ転がっておりました。
すると母は「本でも読んであげよう」と、起き上がり
「杜子春と小僧の神様とアンネの日記のうち、どれがいい?」と言い出した。
この時点で母のセンスをいまなら疑うが、当時は一番タイトルのイメージがつく
『小僧の神様』を選択し、読んでもらいかけてストップをかけた。
私:「AとかBとか言われても誰なのかがわからない。名前をつけてちょーだい」
母:「困った子だね。本にはA、Bって書いてあるんだから我慢しなさい」
私:「じゃあ、AとBとどっちが多く出てくるの?」
母:「あぁ、もう!いいわね。じゃあ、Aが稲葉修でBが田中角栄ね!」
以下、Aは稲葉修、Bは田中角栄という名前で読み聞かせが始まり、そして終わる。
稲葉修も田中角栄も、当時現役の議員ではなかった。
しかしワタクシには、話の内容よりも、母のAとBにつけたネーミングセンスが印象的で、
こどもの頃の話が出て、このときの話を振り返るたびに母と笑いあう。
母:「AとBとどっちが稲葉修で田中角栄にしたかは忘れた。アンタよく覚えてんね」
私:「そりゃ、自分で言ったワガママですからw」
母:「自分でもなんで稲葉修と田中角栄にしたかが不思議だわァ~」
郷土が輩出した国務大臣はホカにも居たハズなんだが…??
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本日、その母の姉…つまりワタクシにとっての伯母のお通夜でございました。
ワタクシ自身、持病の調子が思わしくなく申し訳ないけれどお通夜を欠席。
piccolinoがインフルエンザB型のヒトなので、あの親子も欠席。
昨年他界した伯母ほどには付き合いはなかったけれど、
高校1年のとき、開腹手術を受けて割とすぐのとき。
今回他界した伯母はミスドのドーナツを大量差し入れしてくださり、
自分は食べることが出来ないので、お見舞いにきてくれた友だちに振舞った思い出がw
その伯母のキョーレツエピソードの1つに『段差和式便所事件』がある。
当時、伯母の家は男女兼用の和式便所で、伯母は段差の上に配置されている
和式便所を利用すべく、段差を上がって用を足し終えたところでバランスを崩す。
つまり後ろへ引っくり返った。
引っくり返った伯母の身体はすっぽりと壁と段差の間にハマり、
当時まだ生きておりました伯母の配偶者を大声で呼ぶも、
伯母の配偶者は当時寝たきりに近く、音は聞こえても対応が難しい状態。
そのとき伯母は「あァ、私はこの体勢のまま、ここで一生を終えるのであろうか」と
かなり真剣に考え、いろいろと思いめぐらせてたところで、
たまたま嫁ぎ先から娘さんが遊びにきたので事なきを得た、という…。
ワタクシは覚えていないのだけれど、伯母がいうに
「一週間くらい前にyutahaちゃんが、段差のある和式便所でバランス崩して
頭ぶって死ぬ人がいるって言ってたったっけ、あァこのことかって思ったんさ」と。
その後、家族の反対を押し切って夜逃げ同然にアニメーターを志し、
夢を実現させて実家に帰り、いまでは人を使ってアニメの制作会社みたいのを
経営している息子その2と2人で暮らしておったわけですが、
息子は息子で「母がいるから結婚相手も探せない」と呟いていたそうなので、
息子依存の母が他界したことで、年齢は若くはないけれど生活力はあるという点で、
今後息子の方は安心して婚活なるものができるのではなかろうか( ・ω・)
四十九日が過ぎるまでは心身落ち着かないだろうけどね( ▽ )o〇O