その昔、ワタクシの通う学校が所在する地域は、市内で最も活気があった「まち」であった。
セレブは「まち」で買い物をし、映画をみて、夜は夜で日本三大芸妓の「まち」でもあるので、
そんな感じで賑やかだったこともあるところでございましたのよ 。


そんな、いまやシャッター商店街化した通学路を、コンビニで購入したアイスコーヒー片手に、
教室プールで濡らした髪が乾ききらないまま、学校に向かってホテホテと歩いていたとき。


前方から、帽子を深く被り、おっきいサングラスをした
日焼け対策バッチリなご婦人が、口角を挙げながら手を振って近寄ってくる。
ワタクシの後方にご婦人の知り合いでも歩いているのであろうと思って、
特に注意をしていなかったのだけれど、そのご婦人てばワタクシの方をトン♪と叩く。


婦人:「よッ♪…あ、わかんないか?」
me :「!!…U先生??!おっきいサングラスされてたからお顔が見えなくて…」
先生:「んふふー。私、これから『まち』に行くんだぁ」
me :「わぁ、いいですねぇ!お気をつけてどうぞ^^」


なんつって別れたところでフト気づく。
センセ、ヾ(・ω・o)ここも一応「まち」ですぜ?
ていうか、U先生も先日参加して下さった遠泳大会の御礼を言うのを失念。


そうなのです。
U先生は水泳指導員の方で、上級先生がホームプールで教室を持つ前は
U先生がホームプールで4泳法を教えておられたそうなのでございますね?
2、3年前の話らしいので、ワタクシがホームプールで見たことがないのは当然なのですが、
思わぬところで思わぬ方にお会いすると、いっぱい話したいことがドワーンと出てきて、
何から先に…と戸惑ってるところでフリーズしてしまうアホさがワタクシにあることを知る。


ちなみにU先生も上級指導員です。


ついでに申し上げるなら、教えていただいたこともなければ、
U先生の泳いでるトコも見たことがないという…そのくせ、何故か気が合う不思議( ・ω・)
合わせてくださってるんだろうけどもww


U先生にお会いする30分前くらいまで、教室プールにいたワタクシ。
今日の練習会出席者は、ろ嬢と は嬢。い嬢は子守で来られないとのこと。
そんな受付開始前。


me :「あれ?今日は校長先生、いらっしゃらない?」
は嬢:「
先生もオトシだから、ココに用事があるときはお願いするけれど、
    特に用事がないときは、いらっしゃるのも大変だろうってことで、
    い嬢が
先生に、そう仰って、先生もそれで黙ってらしたから、来ないと思います」


校長先生と は嬢、5歳違いくらいなんだけど、「オトシ」のラインってドコなんだろ??


は嬢:「わたし、漸く定期券が買える時期がきたの」
me :「おぉ、シニア割!」
ろ嬢:「わたしのはコレ」
me :「おー。天下御免の無料パス(障害者手帳) !」
ろ嬢:「これね、医療費もタダなんだァ~」


ろ嬢は視覚障害がmainではあるけれど、足にも障害があり、また他にも疾病があるため、
なにかと生活にシバリがあって、游ぐときにも工夫が必要な場面が多々ある。


ろ嬢:「いまはそれでも すっごく近寄れば見えないこともないけどさ。
    もう何年かしたら完全に見えなくなるから、いま頑張って練習しとかないと!」
は嬢:「このトシになって試験を受けるドキドキを味わうとは思わなかったものね」
ろ嬢:「そうなの。トシ取るとね、ドキドキが減るんだよ。これが最後のドキドキかも」
me :「最後のドキドキは心筋梗塞でした、なんてのは切ないですからね?」
二人:「「
(⌒▽⌒)アハハ!ほんとそう!」」


それにしても医師より断言されているとはいえ、あと数年で完全な盲になる ろ嬢。
常に障害受容と向き合う状態、というのは、相当キビシイように思われる。
ろ嬢自身が明るく振舞っているから、障害にのみ注意が行って見落としがちだけれど、
実際にろ嬢が必要なサポートって…と考えた場合に、物理的な問題を理解した上で、
その気持ちに寄り添う姿勢というのを、関わりの中で心がけたいところかなァ、と。


ろ嬢からは、いつから障害者となったかという話は聞いたことがあるけれど、
そのときは出来事のみを語ってもらったに過ぎず、気持ちの動きを聴くことはあえてしなかった。


見た目だけでは分からない障害は多い。
元国体選手翁だって、いまでも かなりの速さで游ぐ証拠に横泳ぎ競泳の記録保持者だけども
心臓にペースメーカーを。両耳には補聴器をしている状態。
ろ嬢のようにキッパリと目を見開いているけれど、のヒトもいるし、
普通のオジサンに見えて実はの、家電量販店店員さんもいる。


以前ホームプールで、いびつなバタ足をする男性がいたけれど、
その男性がプールサイドに上がったら片足が欠損していた、なんてことがありました。
そりゃスムーズな音は出せませんわな、と納得したものですが…。


後者のように見える障害もあれば、軽度の知的障害や精神障害、発達障害もそうだけれど、
見てわからない障害も少なからずあることを思うと、なんだかなぁ( ▽ )o〇Oって。


頭で納得していることでも、実際の場面を共にすることで気づくことも多い。


ホント、日々学びがあるなーってシミジミ思うのでありますのよ 。