【事例】


■ S氏のプロフィール

   2歳、男性、健康


■ 家族関係

   一戸建てに両親と居住。日中は保育園で過ごす。

   祖父母と伯母が同敷地内に居住、渡り廊下で両家を繋ぐが夜間は渡り廊下を閉鎖。

   入浴前くらいまでは自由に両家を往来する。

   概ね両家共に毎日誰かしらの往来があり、関係は良好と言える。


■ 本人の状態

   第一次反抗期に突入。なんでも自分でやりたがるが家での排泄行為を嫌う傾向にある。

   普段は紙パンツを着用しており、保育園や他施設では自主的にトイレを使用するようになってきた。


■ 事例の経過

   S氏は家庭に於いてはトイレを嫌うため、紙パンツを普段から着用している。

   ○月×日、19時過ぎに自宅より渡り廊下を走って祖父母宅の茶の間へ行くと

   伯母により紙パンツの膨らみを指摘さる。

   祖母が「パンツ替えよーよ」とS氏に提案するも、「嫌だ」と茶の間内をグルグル走り、拒否。

   祖母がS氏を前面から抱きかかえ、大声で泣いたり祖母を叩いたりしながら抵抗するも

   汚れていた紙パンツは交換される。

   その直後、S氏の泣き声を聞いた父親が「何で泣いている?」と慌ててやってくるので経緯を説明。  

   父親「(S氏が)嫌がるのでパンツを替えませんでした」と言う。

   祖母「(S氏は)嫌がるけれども汚れていたので履き替えて貰った」と言う。


【考察】


   ニーズ:パンツの履き替え

   デマンド:排泄介助を受けたくない/パンツを替えたくない


   父親が主張するように、本人が嫌がることはしない…のがベターなのか

   祖母が主張するように、本人に嫌がられても必要を感じたので行う…のがベターなのか。


   嫌がるから放置→虐待

   無理矢理パンツ交換→虐待


   極論だけど、この2択で考えた場合ドチラが本当の意味合いで虐待になるのか。


   S氏が「紙パンツ交換やトイレでの排泄は気分が良い」と思うようになるには

   周囲として、どのような支援(福祉ってこのフレーズ好きですヨネ)をしたら良いのか。