6月12日 12:00 本部
俺は本部の屋上で青い空を見上げていた。こんなにも美しい空を見ているとインベーダーなんか実在しないと思い込んでしまう。
『ニュースです。米軍の空軍基地がインベーダーによる…』
でも、現実は残酷だ。
無線で放送をキャッチして知り得た情報を聞いて俺は嫌な気持ちになる。
空軍の基地が攻撃を受けて壊滅した。奴等の技術の前じゃ空の覇者はハエも同然って事だ。
時也が呑気に空を眺めていると屋上に誰かが足を踏み入れ、時也は気配に感じそちらに振り向いた。
「正司か。何の用だ?」
「インベーダーの円盤部隊とダロガが海岸に結集している。奴等の殲滅を託したい。」
「俺一人でか?」
「一人でダロガ相手して破壊できたお前ならこんな部隊容易くできるだろ?」
正司の奴、無茶な要求して来やがった。馬鹿かこいつは。一対一(生身の人間対ダロガ)ならどうにかなるけど一対多(生身の人間対群集)は俺でもどうにもならないぞ!
(時也、お前自身は無理だと思ってるけど自覚してないだけだ。)
「それに、俺は一人で行けとは言ってない。お前の部隊とガンナー1と一緒に奴等を殲滅して来いって事だ。」
「分かったよ。奴等を一気に畳み掛ければ良いんだろ?」
「あぁ。今の所空母は一機も確認されていないから増援は無いだろう。」
こうして俺は流星の部隊と一緒に集結中の敵部隊に四方から奇襲を掛ける作戦が立てられた。
「それと時也、この作戦では腕の良い新人が既に作戦エリアで待機している。そこで合流した後、作戦を遂行してくれ。」
俺は全員を連れて海岸へ向かった。
13:26 海岸
海岸の東側に到着した俺たちはある人物と合流した。見た目からして二十代半ば、もしくは三十歳前後か?
「バスター1とガンナー1だな?俺は新しく入る事になった千獄寺章造(センゴクジショウゾウ)だ。宜しく。」
章造と名乗る隊員と俺は握手を交わした。彼の武器は日本刀一本と、不利な状況を考えてか、SG-5だ。
「作戦の内容は解っている。」
章造は崖から海岸を覗いた。
円盤の数は50機。巨大生物は黒色と赤色を合わせて凡そ75匹。ダロガが六機。
「奴等が動き出す前に叩けば被害は出ずに済む。」
俺たちは二人で一つの班を作って四方に分かれて奴等に挟撃を仕掛ける事にした。章造は四つの班の内一つの班に加わる事になる。
「先ずは班を決めるぞ。俺と瑠璃華はここから攻める。晴斗と霧香は反対側から攻撃してくれ。」
「ガンナー1も班を決めるぞ。結城と神楽は二人で一班だ。真二は俺と行動だ。」
こうして攻める班が決められて、章造は俺の班に加わる事になった。
「あぁ。お前達にこれを配って置きたい。」
突如流星は口を挟んで来て俺たちにあるモノを配った。渡されたのはミサイル兵器、エメロードに良く似た武器だった。
「流星…これは?」
「狙いを中心部近くに定めた後、俺の合図で一斉に引き金を引いてくれ。」
俺は質問しようとしたが、流星は質問なんかを遮って自身の頼みを皆に伝えた。
「良し。準備は整ったな?」
こうして全員はそれぞれの持ち場に向かった。
晴斗と霧香の班は時也たちの班とは反対側の西側に布陣を取り、流星と真二の班は南東、結城と神楽の班は南西の位置に布陣を取った。
「皆持ち場に着いたか?」
『こちらバスター1-3。持ち場に着いたぞ?』
『こちらガンナー1。持ち場に着いた。ガンナー1-3と1-4は持ち場に着いたか?』
『OKだ。存在してはいけないものが目に入る。』
全員攻撃位置に到着したようだ。
「皆狙いを付けたようだな?」
『良し、俺の合図で引き金を引いてくれ。』
俺は狙いを定めながらある事を疑問に思いある事を質問した。
「所で流星。このエメロード見たいな武器の弾頭は複数装填されてるのか?」
『三発は入っている。もしかしてもう一発撃ちたいのか?』
「一発外したら困るからな。」
『だが、残念ながら一回だけの攻撃だ。失敗したら再攻撃の猶予はない。』
「了解した。」
俺は中心部近くの敵に狙いを定めた。
『皆良いか?カウントを開始する。』
俺は指を引き金に近づけた。一斉攻撃で奴等を一気に畳み掛ける。それが失敗すれば半分以上の敵が動き出して任務は失敗になる。
『5…4…3…2…1…発射!』
俺は流星の合図に従ってミサイル兵器の引き金を引いた。砲口からは弾頭が放たれた。
他のところで布陣していた晴斗たちも兵器の引き金を引いた。
四ヶ所から放たれた四つのミサイルは敵の結集地まで飛来して行った。そして…
ズガガガガガガァァァァァァァァァァ
辺りからは物凄い大爆発が起こり、集結地に居た大半の円盤と巨大生物、ダロガ一機が跡形もなく吹き飛んだ。
「うおわぁ…」
俺はつい耳を塞いでしまった。ミサイルは凄まじい爆発を起こして、さらに四発が発火して凄まじい轟音が響き渡った。
「これ…音デカイわね…」
瑠璃華も轟音によって耳を塞いでいた。
『バスター1。聞こえるか?』
「ガンナー1どうした?」
『敵の残存部隊を叩く。動けるか?』
「おいおい。俺を誰だと思ってるんだ?」
俺は腰に備えていたスパローショットM1二丁を引き抜いて敵陣地に向かった。
「時也ズル!抜け駆けしないでよ!」
瑠璃華も後について行った。
「良し!俺たちも行くぞ!」
晴斗と霧香は敵陣地に乗り込み、晴斗はAS-19Dで浮き足立っている円盤八機を撃墜。霧香は晴斗の後ろを守る為、彼の後方に付いた。丁度背後に回って来た円盤をAS-19Dで撃墜した。
「さて、私はダロガの相手をしようかしら。」
瑠璃華はゴリアス-DDで浮足立っているダロガを攻撃。当たり所が悪かったのか、ダロガには不具合を生じてしまうトラブルが発生した。
砲弾が関節部分に着弾して深刻なダメージが発生して動く事が出来なかった。それでもダロガは彼女に彼女に反撃を試みた。
「どうした?イージス艦沈めた奴がその程度なんて…正直つまらないわ。」
瑠璃華は光弾とバルカンを易々と、ダロガの周囲を走りながら避けていた。
「時間切れ。バイバイ♪」
瑠璃華は背中に背負ってあったGランチャーUM-3Aを取り出して、その矛先は動けないダロガに向けられて引き金は引かれた。
バシュン・・・
砲口からは火薬が詰まったグレネードが五発放たれて全てがダロガに着弾。ダロガは破壊された。
「神楽、援護頼む!」
「分かった!」
結城はゴリアス-Rを構えて残りの巨大生物に対して引き金を引いた。這いずり回る巨大生物は何が起こったのかも分からず砲撃の爆発により死滅した。
神楽はAS-20Rで結城の背後に回ろうとした巨大生物を撃破した。
「良し、巨大生物が寄り付かない様に持ち場を死守してくれ!」
真二と流星は駆け足でダロガの方へ向かった。
真二は腕に巻いている包帯をダロガに身動きができない程の強さで巻き付けて、包帯に潜んでいたかんしゃく玉四号による集中爆破を受けて爆発した。その姿は原型を変えられた無惨な姿だ。
「先ず一個減ったぞ!」
「次は俺だ。」
流星は右手に装備するスパローショットM2でダロガを攻撃した。
銃口と装甲の距離は近くダロガは散弾一発に積まれている無数の弾丸を全弾喰らい、物凄い勢いで大きな火花が散った。
その様な攻撃を何度かく喰らい続ける。
ダロガは光弾と銃弾で反撃するが、流星の速い駆け足に追い付けずにいた。
流星は反転してロケットランチャーを構えた。
それは開発部から受け取った武器、ゴリアス-Sカスタム。流星はその引き金を引いた。砲弾を喰らったダロガは爆発して大破した。
「時也、俺が援護する。お前はダロガの相手をしろ!」
「美味しいとこ持って行かれても知らないぜ?」
「スナイパー弾で相手する馬鹿が何処に居る!とにかく援護してやる!」
晴斗はSNR-227のスコープで遠方の円盤に狙いを定め引き金を引いて撃墜した。
円盤は時也たちが戦闘を繰り広げている場所とは遠距離に居る。晴斗は円盤が近づく前に落とす方法を考えていた。その方法で円盤を六機撃墜した。
「さて、お前は俺が仕留めてやるぜ!」
俺はAS-19D二丁でダロガを攻撃。一発一発がダロガの装甲を撃ち抜いて行く。さらにゴリアス-DDでダロガの触覚を攻撃。一本が駄目になって黒煙を上げている。
俺の追い討ちはまだまだ続き、昨日開発部から受け取ったゴリアス-Rでダロガを攻撃。
「これで終わりだ。」
俺はゴリアス-DDの引き金を引いてダロガを破壊した。
(残りは一機。章造がそいつを相手してるって言うが…)
日本刀でダロガを相手できる筈がない。俺は急いで章造の支援に行こうと思ったその時だった。俺は思い掛けない光景を目の当たりにした。
「嘘だろ…?」
俺の目に映ったのは真っ二つにされたダロガの残骸。その近くには刃物による深い傷痕を残した巨大生物の死骸が横たわっている。
「驚くのも無理はない。巨大生物を斬り付けるならまだしも、金属真っ二つにするのは普通の人間にはできないからな。」
章造の攻撃のやり方。巨大生物に対しては人間とは思えない速さで迅速に対処して斬り付ける。そしてダロガを破壊する際には日本刀を大きく振り下げる。その時に発生する風は刃の様に敵を斬り付ける力が備わっている。
『レーダー反応。円盤三機が急速接近中!』
円盤三機が攻撃を仕掛けるべく俺達に接近して来るが、その三機が突然爆発して墜落。火を噴いた円盤の残骸は激しく地面と衝突して、強さの余りか再び宙に浮かび、完全に地上に落ちたのは数秒後の事だった。
円盤三機を落としたのは章造だった。彼は時也たちに見えない速さで日本刀を振って、刃の様な風力で円盤を斬り付けた。
「本部、敵は一掃した。辺りに敵の反応はあるか?」
『こちら本部。敵の反応は無い。作戦終了だ。』
敵に挟撃を仕掛けた俺達は本部へと帰還した。
16:56 本部
「あんたのその技を教えてくれ!」
章造の前には時也が頭を下げて要求していた。
「時也、解ってるのか?この技は易々と扱える技じゃないぞ。巨大生物の方はまだしも、ダロガはやるのに体力を大幅に消耗するぞ?」
章造は、事実の事を時也に告げた。章造の技は簡単に出来る事ではないのだ。
それでも時也は諦めず章造に粘り強く要求した。
「とにかく、今は奴等と戦争しているんだぞ?今この状況でこの技を教える人間は先ず居ないと思うぞ?」
確かに章造の言うとおり、今は教えている暇は一秒も無かった。
「奴等を倒した後、ゆっくりその技を教えてやる。それまで我慢してくれ。」
「そこまで言うなら…分かったよ。終わるまで我慢するよ。」
時也は渋々了承して章造の部屋を跡にした。
to be countinued
次回 回転木馬 ストーリーは短めにお送りします。