5月15日 15:16 本部
俺は今、小説を読んでいる。
真二が何処かから拾って来た金髪少女と銀髪青年が登場する小説を読んでいる。
こんな訳の解らない小説は見たくないのに…
「ついつい見ちゃうんだよねぇ~…」
俺はしばらくこの小説に没頭して居ると…
『各隊員は直ちにブリーフィングルームに集まってください!』
初香さんが冷静に言ってるのか、集まれと知らせて来た。
「後もう少しでヤバそうなシーンだったのになぁ~♪」
俺は本をその場に置いて部屋を跡にした。
ブリーフィングルームに来ると他の隊員達が椅子に座ってモニターを見ていた。
「そこのお前、お前が最後だったぞ?」
正司は俺に対してなのか呟いて来た。
(こいつ…年離れた弟に対してお前って言うとは…)
時也は椅子に座ってモニターを眺めた。
モニターには何かが映し出されていた。それはもう、円盤としか言いようがない。
「皆も見た事あるかも知れないが、今まで発見された大型円盤の中でもこの機体だけ大きい。
総司令部はこの大型円盤をインベーダーのマザーシップ。言わばこの機体を奴等の拠点と判断した。
現在各地のEDF上級将校等とマザーシップの対策を練っている。もし奴と遭遇した場合…」
正司はしばらく説明を途切らせ、十秒ほど掛けた所でこう言った。
「奴に攻撃を与えず、警戒しろ。」
攻撃するなと言われ、周りの隊員達がざわめく。
何故なら、いきなり大物を落とすと言うのは無謀な作戦だからだ。
先ずは奴を隅々まで解析し、判明した所で攻撃を加える。そうでなければ永久にそれを落とす事は不可能だ。
「もし、攻撃して来たら俺達は」どうすれば良いんだ?」
時也は攻撃するなと言われて不満を抱いたのだろう。彼は納得がいかなかった。
「反撃程度で構わない。今は撃退できればそれで良い。」
こうしてブリーフィングが終了し、殆どの隊員が持ち場に戻ろうとしたその時だった。
「緊急事態が発生した!マザーシップが市街地に接近中!各員直ちに避難誘導に向かえ!」
周りが慌しくなり、殆どの隊員が武器を取りに向かった。
~時也視点~
俺は武器を取りに行く途中、開発部の人間に捕まった呼び止められた。
「実は新しい武器が出来上がったんだ!」
興奮そうに彼は出来上がった武器を差し出して来る。
彼の名は結城和真(ユウキカズマサ)。この本部で武器の開発をしてくれている言わば研究員の人間だ。
後、この人は瑠璃華のもう一人の兄貴だ。
ただ、研究員は厨二病ってイメージが大きいのだが、大丈夫なんだろうか?
下手したら性能が悪い武器が出来上がって、その武器を俺達に差し出される可能性が大きい。
(性能が最悪だったらその場に捨てて来るだけだから。)
「性能最悪が何なの?」
俺の背後から女性の声が聞こえて来た。
彼女の名は…否、こいつの紹介はしたくねぇ。
「あんた私の紹介しようとして辞めたでしょ?」
「はぁ?紹介したかったら自分で紹介しやがれ。」
時也が気に入らない人物。彼女の名前は秋根莉子(アキネリコ)。博士の助手だ。
何でか知らないが、お互いはお互いの事を気に入らない。
「俺は博士から武器を受け取りに来ただけだ。」
「じゃあさっさと持って立ち去れ!」
俺は開発されたAS-20DとAS-20SSSを受け取ってマザーシップが現れたエリアへ出撃した。
16:24 市街地
俺はバイクでマザーシップが飛来している作戦エリアに到着した。
今俺が持っている武器は博士から受け取った二つの武器とガバナーSとゴリアス-D二丁。
ガバナーSは何気に近接対空ショットガンとして使えそうだし、日本刀は対空戦に向かない為置いて来た。
良く見れば作戦エリアに到着した俺が最後尾だったらしい。晴斗と瑠璃華は既に市民の避難誘導を行っている。
周りを見ると有事に備えてなのか、対空砲が多数備えられている。
今、市民を乗せた自衛隊の装甲兵員輸送車が通り過ぎるのを見かけた。
上を見るとマザーシップが本当に姿を見せている。母船下部に備えられているのは何なのか全く解らない。リング状の物体は宙に浮上してゆっくり回転して何気に気味が悪い。
『時也、今頃到着か?』
無線からは晴斗の声が聞こえて来た。
「開発部の奴に捕まってさ。おかげで得体の知れない武器を差し出された。」
『開発部は厨二って感じがするからな…』
『二人とも、無駄話してないで避難誘導手してよ?』
時也と晴斗の会話の間に瑠璃華が割り込んで来た。
「お前今何処に居るんだ?」
『一番長い建物で避難誘導をしてるわ。』
周りの建物より一番長い建物で瑠璃華は中に居る市民を屋上まで誘導していた。
屋上のヘリポートには自衛隊の輸送ヘリとEDFのヘリ部隊、レッドカルマ隊が市民を乗せてそこから避難していた。
地上に近い市民は地上部隊の誘導により建物から脱出していた。
『隊長、あの母船は…何もして来ないでしょうか?』
俺は自衛隊らしき人物の会話を無線で聞いた。
『何もして来ないことをただ祈るしかない。今は民間人の避難誘導を優先しろ。』
ここに居る皆が不安感に駆られている。奴等の目的は未だに解らない。ただ、侵略者である事は事実だ。
『とにかくマザーシップの下側から市民を離せば良いんだ。』
無線で隊長らしき人物の声が聞こえて来た。確かに何処かの隊長の言うとおり、マザーシップの下から市民を離せば良い。ただそれだけだった。
『こちらレッドカルマ1。これより降下する。』
輸送ヘリは建物のヘリポートへと降下。着地後、建物から出て来た市民をヘリに乗せていた。
『こちらバスター1-2。レッドカルマ1の着地を確認。』
『レッドカルマ1からバスター1-2。民間人は居るか?』
『いいえ。このメンバーで最後よ。』
建物から出て来た市民は輸送ヘリに乗り込んだ。
「良し、もう直ぐ市民の避難は完了するわ。」
『後はマザーシップが何かして来ないのを祈るだけだ。』
瑠璃華は今も市民の避難誘導を行っている。もう少しで避難誘導が終わるその時だった。
『おい、マザーシップの先端部分が光ったぞ?』
『何だって!?』
マザーシップの下部に位置する長い物体の先端部分が光りだした。光り出したと同時に長い部分は方向を少し変えた。
『撃て!撃つんだ!』
自衛隊は反射的に対空砲を操作。砲身から弾が射出され、空は弾幕で張り巡らされた。
~時也視点~
『お前ら!攻撃するなと言った筈だ!』
無線からは正司の怒鳴り声が聞こえた。
「撃ってるのは自衛隊の連中だ!EDFは誰も攻撃してない!それよりもマザーシップの下部の長い奴が先端部分を光らしてる!」
俺は確かに地上から見た。それはマザーシップ下部の長い物体の先端部分が光っていた。
自衛隊の連中が反射的に撃つのはおかしくない。
『何だあれは!?』
再び空を見上げると先端部分からは八つの光の玉が出来上がり、こちらに降りて来ようとしていた。
自衛隊は未だに対空砲の砲火をマザーシップに浴びせている。
マザーシップが放った光の玉は徐々に地上に降りて来ようとしている。
そしてそれは、地上に接触すると同時に…
ドガァァァァァァァァァァン
俺は風圧に耐え切れず、押し寄せられた強い風で前が見えない。
無線からは人間の断末魔が激しく響き渡っていた。
やっと強い風が止み、俺は前方を見る。
「嘘…だろ…?」
俺は思いも寄らない光景を自身の瞳に焼き付けた。
市街地が一瞬にして吹き飛ばされていた。下に居た仲間は…一体どうなったんだ?
レーダーを確認しても仲間の反応が無い。増してや誰からの応答も無かった。
そして、解った事が一つだけ解決した。
マザーシップ下部の八本の長い物体は砲台である事が解った。
「誰か!応答してくれ!」
俺は何度も無線で呼び掛けた。
『…この声…時也?』
無線からは聞き覚えのある声が響いて来た。
「瑠璃華!無事だったのか!?」
無線の相手は瑠璃華だった。
『私は何とか無事よ。市民達全員は輸送ヘリに乗り込んで皆無事よ。』
(無事なら良かった…)
『でも、中に居た仲間達は砲撃に巻き込まれて…』
俺は瑠璃華から良い結果と悪い結果を同時に聞き受けてしまう。
良い結果は市民達は皆無事に輸送ヘリに乗り込んだ。
そして悪い結果は市民の避難誘導をしていた仲間達は砲撃によって吹き飛ばされた。
『輸送ヘリは間一髪ヘリポートから離陸して、私も間一髪輸送ヘリに乗り込んだわ。』
事実、瑠璃華は乗り込んだと言うよりも着地に必要な台の箇所に捕まっていたから何とかなった。
『とにかく離脱する。マザーシップが何かやらかさないか見張ってて。』
俺はマザーシップの様子を観た。
「晴斗、スナイパーライフルのスコープで吹き飛んだ場所の確認はできないか?」
『さっきやった。残念ながら生存は絶望的だろう…』
自衛隊の連中は壊滅しただろう。
彼等の装甲兵員輸送車は市民の避難誘導の為に使われた。
簡単に言えば兵員と市民を入れ替えすると言う形だろう。
結果、自衛隊は壊滅状態まで負い込まれた。
『時也!マザーシップがまた変な仕草を見せたぞ!』
俺は再びマザーシップを見上げた。何かが開いていた。
『不味いぞ!奴等小型円盤を発進してやがる!各所の残存部隊は迎撃せよ!』
晴斗は残存部隊に迎撃要請を呼び掛けた。
『円盤の数、十機!』
『各員は迎撃態勢を執れ!攻撃を許可する!』
俺は正司の言うとおり、迎撃態勢に入りガバナーSを構えて引き金を引いた。
ガバナー系のショットガンは威力は良いが、精度が良くない。
だが、俺は気付いた。ガバナーは対空用のショットガンとして使える。
俺は引き金を引き続け、接近する円盤を攻撃した。
着弾した円盤は火を噴いて撃墜してされた。勿論円盤は反撃して来た。
円盤の下部にはレーザー砲が備えられていた。俺は敵の攻撃を避けた。
時也はもう一度態勢を上に向けてガバナーSの引き金を引いた。広範囲に散らばった弾薬は円盤群を襲い、四機の円盤が撃墜された。
だが、もう一機の円盤は時也の背後に周り、攻撃を仕掛けようとした。っが、その円盤の行動は空しく火を噴いて撃墜した。
『時也、背後ががら空きだったぞ?』
「晴斗か?済まない。」
『なぁに、こいつが俺の仕事だからな。』
『そら見ろ!また来るぞ?』
『円盤20機、発進を確認!』
再びマザーシップからは円盤が発進された。今度は20機。
その20機の円盤の目標は俺達ではなかった。
「あいつ等!輸送ヘリを狙ってやがる!」
敵の狙いは最後尾の輸送ヘリ。
(あいつ等、俺達が倒せないからといって…)
俺はゴリアス-D二丁で上の円盤群を攻撃した。ミサイルじゃないので追尾性能はまったくない。
けど、奴等は群がっている為幸いにも攻撃が聞いた。
『こちらレッドカルマ1。円盤から攻撃を受けている!』
『俺が狙撃する!待ってろ!』
晴斗はSNR-227で輸送ヘリに攻撃を仕掛ける円盤を狙撃。円盤は火を噴いて地上へ墜ちて行く。晴斗は次々と円盤を狙撃する。
一方瑠璃華はAS-18Rで円盤を二機撃墜した。円盤は近距離に展開した為、瑠璃華から迎撃を受けた。
『済まない。そこからでも迎撃できるか?』
瑠璃華はまだその場に居り輸送ヘリの中へはまだ乗り込んでない。
「やるしか無いわ。」
瑠璃華はAS-18で何とか迎撃をする。標的とされた円盤は撃墜されるが、別の円盤は輸送ヘリを攻撃して機体にダメージを受けている。
『こちらレッドカルマ!推力が低下!誰か助けてくれ!』
輸送ヘリは攻撃を受けてプロペラ付近からは黒煙を上げていた。
『高度を下げろ!』
輸送ヘリは高度を下げて少しでも負担を減らそうとしていた。円盤は逃がすまいと追撃をして前方へと回り込んだ。
だが、円盤の下には隊員が一人布陣していた。隊員は引き金を引いて、銃口から放たれた銃弾は地上付近の円盤に着弾。
『高度を下げろ!円盤は俺が相手する!』
時也はガバナーSの引き金を引いた。広範囲に散らばった弾薬は円盤を次々と落として行く。
「私も加わるわ!」
瑠璃華はヘリの脚から離脱して時也と合流。SG-4で円盤を一機ずつ撃墜した。
『第二派壊滅!やったわ!』
俺達は20機居た円盤の群れを全て撃墜した。
けど、油断は禁物だ。奴等はまた何かを仕出かすか解らない。
「くそっ!またハッチを開けやがった!」
『させるか!』
晴斗は屋上から何かを発射した。何かが打ち上げられてその目標は円盤が発進している場所だ。
打ち上げられた砲弾はプロミネンス砲だった。だが、まだ開発されたばかりでその効果はまだ見た事が無かった。
砲弾は煙を噴きながら円盤が発進されてる場所まで打ち上げられている。
そして砲弾は発進口まで辿り着いて爆発を起こした。周囲の円盤群は爆破に巻き込まれて吹き飛んだ。
さらに、装着されていた八本の砲台に異変を感じた。砲台からは炎が噴き上げられ砲台と本機の間からは煙が噴かれた。
その砲台は本機から切り離されて至る所からから炎を噴いて地上へと墜ちて行った。
「本部聞こえるか!晴斗が放ったプロミネンス砲が発進口付近で爆発。周りの砲台を破壊したぞ!あの砲台は破壊が可能だ!」
俺は状況を本部へ伝えた。
『各員。円盤を攻撃しろ!』
今まで黙っていた対空砲は作動して円盤を攻撃した。
俺は空を見上げた。マザーシップが移動し始め、その姿は次第に霞んで行く。
「正司。マザーシップが撤退を開始した。」
『砲台をやられて逃げ出したか。』
円盤部隊の数は少ない。掃討も時間の問題だろう…
この日、市街地の一つがマザーシップの砲撃により崩壊した。
あの砲撃は以後、ジェノサイドキャノンと呼ばれる様になった。流石は『殺戮』と言う名に相応しい。
晴斗が放ったプロミネンス砲により破壊した八本のジェノサイド砲は回収部隊により即急に回収され、七つは極東司令部へ提出する事になり、残りの一本は砲台を破壊した戦果と言う形でこの本部で砲台を調査する事が許された。
恐らく、残りの砲台はアメリカに布陣するEDF総司令部へ水路による輸送が行われるだろう。
マザーシップのジェノサイド砲は全て破壊され、あの凶悪な兵器が姿を現す事は無いだろう。
そう願いたいけどな…
19:24 本部
研究所には何人かの研究員がある場所に集まっていた。その場所には例のモノが台に乗せられていた。
――ジェノサイド砲
既に大破しており再起動は不可能に近い。
「おぉ、これが彼らが持ち帰って来たジェノサイド砲か…」
結城博士は何でか知らないが無関心な表情でジェノサイド砲を見た。
彼の元に助手の秋根莉子が近づいて来た。
「彼等が偶然破壊して持ち帰って来た兵器です。現在調査が行われています。」
「…確か、こいつは町一つ消し飛ばすほどの威力があるんだよな?」
「はい。八本の砲台からの光弾により市街地は崩壊。自衛隊の死者は絶望的な被害を受け、対空砲の損害は90パーセントを超えています。」
「…こいつ…今夜は徹夜になりそうだ。」
博士はジェノサイド砲を見るなり考え事をしていた。
(こいつがあれば奴等に対抗できる兵器を作れる気がする。)
彼はこの兵器を素にして最強の兵器を作ろうとしていた。
だが、これは簡単ではない。インベーダーが使っていた兵器をそのまま作り上げる事は先ず不可能。
作ろうにも日本人の工業力と技術力だけでは作り上げるには困難を招く事になる。
アメリカの力を借りるしか作り上げる道はない。
「時間は掛かっても構わない。どうにか奴等に対抗出来る兵器を作りたい。」
彼はまたしてもブツブツ呟き始めた。
「さて、私達の戦いもこれからだね。」
こうして彼等の調査と兵器製造が今、開始された。
to be countinued
次回 空母 空母と言う名前なのに艦載機見たいに円盤が発進されないのはどうしてだろう?