重すぎる十字架② | 翼は心につけて

翼は心につけて

2019年2月に父を癌で亡くしました。2020年9月に母を感染症による肺炎で亡くしました。
一生懸命、生きてます。

こんばんは。


妹が声を上げて泣いた。

母の転院先の主治医から、もう数時間後には、母は意識不明の重体になるだろう…と電話が入った時。

大声で泣いた。

もう数十年も見ていなかった。

妹の号泣。

それを私は、病室の入院先の病院で見た。

二度と見てはいけない。

そう思った。

妹の号泣だった。




私は、母の事実から逃げた。

妹は、良かれと思い、母の主治医の電話をスピーカーで聞かせてくれていた。

私は、それを苦痛以外の何ものでもない、吐き気がするくらいの重圧でしかなかった。

逃げる事しか、出来なかった。

母が意識を失くしてしまう、前の通話から、スピーカー通話を拒絶した。

妹が最初の感染者とか、

妹が泣きながら、耐えた数日間とか、もう全く考えられなかった。

逃げたくて、逃げたくて、毎回、動悸がすごくて、耐えられなくて、母からも、妹からも逃げた…

妹が号泣した、翌日の朝、母が意識不明の重体になった。


でも、前夜も朝も私は、心が少し落ち着いていた。

親不孝だ。

でも、現実逃避しないと、どうにかしてここから逃げる事しか考える事が、もう出来なくなっていた…