年末年始のお休み、時間が沢山あったので

久し振りに自動翻訳でドラマ一気見でもしようかしらとチョイスしたのがこちら。

中国ドラマ『雲之羽(云之羽)』(全24話)。


元旦から熱を出し、横になってじっとしているしか出来なかったお正月の救いドラマとなりましたショボーン

(インフルでもコロナでもなかったです)





え、
てかこれ、
バリ面白かったんですけど?真顔

こんな面白いドラマを秋にやってたのか!
朝の情報番組とかで言ってよもう!(むり)


私、基本的に武侠物はあまり好みではないのですが、
これは何だろう、
武侠をベースにして、人間を、家族を、親子を、恋愛を、友情を描いたドラマで、
サスペンスでもあり、美男美女パラダイスでもあった。(そこ大事)
しかも主要人物のほとんどが若さや経験値からして鮮度が抜群で、且つ上手い。
女主の虞书欣に至っては、
これまでのイメージを180度変えるような変貌ぶりに新鮮さを通り越してもはや感嘆。

また、登場人物がそれなりに多い中、
誰一人として埋もれることなく登場人物毎のストーリーがきちんとあって、
それぞれのキャラクターが魅力的。
それをアクションシーンなどの見せ場も見事に盛り込みながら
話数制限の影響か、24話という従来の中国ドラマからすると大変コンパクトな時間の中に
テンポ良く詰め込んでいるので全く中弛みがなくこちらの集中が途切れない。

続編を大いに予感させる終幕ではあれど、
ストーリー上一段落はついているので消化不良感もありません。
いっそこのまま終わっても、
まだあの世界が続いていると想像できる余地を存分に残したと納得できる程のまとまりの良さでした。
ジャンルにもよりますが、
これくらいの話数に上手くまとめるのが結局のところいちばん丁度いいのかもしれないですね。

ストーリー構成もしっかりしていて、
至るところに伏線を引いて、ある時はあからさまにこちらの興味を掻き立て焦らし、
そうと分からず何気なく見ていたシーンが後で伏線であったと知らされる驚き。
残された伏線を終盤で尽く回収していく快感。
全体的に静かに重い空気感で進んでいく中に突如現れる劇薬レベルのコメディ要素。

面白い。


え、
でもこれ、
ネタバレせずに人物毎の感想書くの難しい…

んー…どうしようかな。
頑張ってみるけどご注意ください。


まずは、謎多き凶悪組織である无锋の刺客、云为衫に虞书欣。


組織の命を受け、宫门という武侠一族に花嫁候補として潜入。
半月に一度解毒剤を飲まなければ死に至るとされる毒薬を飲まされており、
その解毒剤を得るため、また任務遂行後の「自由」を得るために、忠実な下僕となっていました。
花嫁に選ばれた云为衫は、一門から疑いの目を向けられながらも、
宫门本拠地の見取図や警備体制などの機密情報を探るため暗躍します。
が、夫となる宫子羽の優しさや愛情に触れ、
彼と過ごす何気ない一時の温かさを感じ、
時間を、苦楽を共にする中で次第に愛が芽生えていき…
絶対に愛してはならない者を愛してしまった刺客の末路とは!!
という、面白くないわけないシチュエーション。
見る前から前のめりですわこんなのもうお願い

先程も書きましたが、
この役によって私の虞书欣に対するイメージが180度変わりました。
こんな役が出来るのか!
と言うか、こんな役も合うのか!という嬉しい発見でした。


そして。
瞬間風速的に今いちばん気になっているこの見目麗しき若者。
ノリにノッてるんでしょうなぁ!(誰)
宫门执刃(執刃=代表取締役みたいなもの?)の息子で、
羽宫公子の宫子羽に张凌赫。


執刃の実子でありながら武芸鍛錬を疎かにし、
芸妓通いをしては父親の怒りを買う軟弱な御曹司。
そんな彼が何の因果か謀か、
父親である執刃と宫门少主である兄の死により
他の”兄弟“を差し置いて新たな執刃となるところから全てが動き出します。

张凌赫、良い!好き!
目鼻立がはっきりした濃いめのお顔が古装に映えます。
溢れる若さや真っ直ぐさが役とリンクして瑞々しく、
(ついでに色白なお肌もピチピチで瑞々しく。笑)
怒りや悲しみ、迷いや戸惑い、そして情愛の表現に熱がある。

云为衫に粥を作ってあげるシーンや
云为衫に嘘をつき、命を賭けても彼女を守ろうとする
宫子羽の優しさ、性根の温かさには自然と涙が溢れました。

真の執刃になるべく成長していく過程も、このドラマの見どころの一つでした。



そして、宫门角宮宮主である宫尚角に丞磊。


宫门一族と一言で言っても血統はいくつかに分かれているようで、
宫子羽に兄と呼ばれ執刃継承権も有してはいるが、
家が違うというのが初めはやや分かりづらい構図でした。

執刃となった宫子羽の執刃としての資格や能力に疑問を呈し、
云为衫を无锋の刺客と疑い、
羽宫側の人間とは相容れず宫子羽を執拗に追い落とそうとする存在、で、ありました。
…表現が難しいわ!笑

この丞磊もまた最高に良いのですわ〜。
好みのお顔ではないですが、最近はこういう感じの鼻筋が流行りなのでしょうかね。
よく見る気がします。綺麗だからよい。
ヒリヒリするような冷酷で無慈悲な超ドS級オーラ全開ですが、
でもそれだけじゃない、宫尚角のキャラクターの繊細さを見事に表現されていて素晴らしかったです。


更に、云为衫と同じく宫门一族に花嫁候補として潜入し、
宫尚角の婚約者となることに成功した无锋の刺客、上官浅に卢昱晓。


魑魅魍魎という階層に分かれている无锋の組織にあって、
云为衫が最低ランクの「魑」であったのに対し、彼女は「魅」という一つ上のランクの刺客。
計算高く隙がない、云为衫がどこまで信用していいのか測りかねる存在でした。
彼女は彼女で組織から別の密命を帯びており、
云为衫との“同僚”としての駆け引きが緊張感を誘います。

しかし彼女もまた、愛してはならない人を…
…だから表現難しいて!

とりあえずお色気担当CPは主CPでなくむしろこちらだったかもしれません。
卢昱晓のナチュラル度高めな健康的な美しさがとても魅力的でした。
例え刺客だとしても惹きつけられる心に抗えない、
そう思わせる説得力でした。



征宫宫主で年齢的には”兄弟“の末になる宫远征に田嘉瑞。
武芸も去ることながら、薬や毒に関する知識、感性にその才能を発揮する人物。


一言で言うならば、哀しきサイコパスブラコンですね。(褒めてます)
10年前の无锋による宫门襲撃で両親を亡くし、
以来宫尚角を本当の兄のように慕ってきた宫远征。
同じく10年前の悲劇で実の弟を亡くした宫尚角もまた彼を本当の弟のように大切にしていました。
二人の兄弟の絆もこのドラマの見どころの一つでした。
生意気キャラだけど、やっぱりこの子にも人間のドラマがあるんですよねぇ。


そしてここからはサブキャラですが、やはりキャラクターの粒立ちが半端ない。
彼らもまたこのドラマの屋台骨です。

まずは宫子羽の護衛、金繁に​孙晨竣。


侍衛にもランクがあるようで、彼は緑玉侍衛、で、ありました。
…ん〜、だから表現が難しい!

男主の侍衛がどれだけ魅力的かでドラマの出来が測れる程にこのポジションは大事だと思っているので、
最高に良いキャラクターでした。
↓の宫紫商とのコミカルなやり取りはドラマのオアシスだったよもはや。


その金繁に恋心を抱き続ける宫紫商に金靖。


何者ですかこのお方は!??

芸人か映画畑の方か舞台女優かハリウッド女優かという程に存在感とキャラクターのクセがはんぱねぇ!笑
折角なので調べないでおきますが、←
このドラマのコメディ担当と言うか、劇薬ですね。
やり過ぎではと思えたクセの強さも、
やはりそのバックグラウンドや人間性が描けているからギャグで終わらない。
いや〜、それにしても凄かった。笑


宫门は宫一族が治める前山と、その他三族が守護する后山から成り、
各一族の長が長老として執刃とともに宫门を治める組織構成。

その三族の内、月氏一族の守宫人であり、
養父の死後月宫宮主となり若くして長老となった月公子に左叶。


はぁ。
もうどこ見てもイケメンしかおらん。
しかもどこ見ても一級品。
(イケメンは品物ではありません)

医術に長け、もちろん武術も一級品。
しかもしかも、初めはこの能面のようなお顔で今ひとつその人となりが掴めなかった月公子も
やっっぱり切ないバックグラウンドがあって、
その冷静さの裏に隠された情の温かさに心動かされます。
想定以上にキーパーソンであったことに驚き。


更に、雪氏一族の守宫人で雪宫公子の雪重子に林子烨。
(ん?童?重?)


見た目は子供、頭脳は大人、この名探偵コナンのような童子は一体何者!?
というところから始まり、
は〜、そういうことかという種明かしまでも心憎い。
后山を守る三族の公子が三者三様でキャラ立てが本当に素晴らしい。

林子烨くん、何歳なのか分からないけれど、
アクションシーンもシリアスシーンもコミカルシーンも見事にこなし、
座っているだけでもただならぬ存在感を醸し出す、
子役と言っては失礼な程の俳優さんでした。
このままお美しくお育ち遊ばせ。

しかし、まさかまさかの曾舜晞にはおったまげました。笑
まじで終盤の怒涛のぶっこみ具合が凄い。


こちらは雪重子の近習から“雪公子”となった雪公子に储子竣。
(説明がややこしい)


なんと繊細な美しいお顔立ち。
まるで女性のような見目麗しさです。
幼い頃から雪重子に付き従い、雪深い后山の中だけで暮らしてきた二人。
見た目が子どもの主と見た目が大人の従者の深い絆が、とても美しかったです。

訳あって初めて后山を出る用があり、その時の外の世界の楽しさを無邪気に語る子どものような雪公子。
普段冷静沈着な雪重子も我慢ならず、
「緊急事態だからシカタナイ!」と掟を破って后山を飛び出したワクワクが止まらない二人の姿が
とっても可愛いかった…


そして、花氏一族の守宫人、花公子に梁雪峰。


武器の製造に才能を発揮する一族の公子ですが、
こちらも度々后山を抜け出しては火薬仲間←の宫紫商のところへ出掛けていく自由人。

最後の方まで、…で、この人誰なの?という状態だったのですけど、笑
長老である父親との関係性や、最後に宫门を守り抜いた心の強さなど、
最終的にきちんと描かれて良かったです。
最後に月公子に届けられた腕輪を見て、嗚呼…となりました。


こちらは宫子羽の実母の侍女として宫门に入り、
主の死後は宫子羽の父親の側室となって宫子羽を育て上げた茗雾姬に温峥嵘。


彼女の人生もまた、无锋に、そしてまた別の謀に牛耳られた生涯でした。


結局、无锋の方はその首領はおろか、
魑魅魍魎の「魎」すらその存在が分からないまま
今回のドラマは終幕を迎えました。

云为衫やその妹のような存在だった云雀を幼い頃から刺客に育て上げた寒鸦肆ですらも「魅」。


上官浅の教官であった寒鸦柒も「魅」。
捨て駒を育てる彼らもまた、无锋によって生み出された捨て駒に過ぎなかったという虚しさが残りました。



宫子羽の父親と兄は何者によって、何故殺されたのか。

内部争いが続く宫门は果たして存続できるのか。

无锋の真の目的は何なのか。


様々に張り巡らされた糸が紡ぎ出した結末の重厚さに満足する、とても面白いドラマでした。


そして、无锋とは。

風…が鍵となるのでしょうか。

次なる展望に期待します。