とっても長いのですが、とっても良いな~と思ったので

貼らせて頂きます。


『永遠の0』も中盤に差し掛かり、

愛をね~考えるんですよ


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お父さんは63歳 和歌山でパンダが次々生まれる理由は…
産経新聞 8月28日(水)9時0分配信


誕生日プレゼントに氷製のケーキをプレゼントされた優浜(写真:産経新聞)
 愛くるしいしぐさで人気のジャイアントパンダだが、国内で実物を見られるのは東京の上野動物園などごくわずか。まして赤ちゃんパンダとなれば、定期的な繁殖に成功している和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」だけだ。飼育下での自然交配が難しいとされるパンダだが、なぜ和歌山だけ次々と赤ちゃんが誕生するのか。その背景を探ると、父親パンダと母親パンダの個性に加え、「子作りは2年サイクル」という同園の繁育方針があった。(岡田敏彦)

【フォト】 すくすく育つ赤ちゃんパンダの「優浜」

 ■生まれたパンダ12頭

 8月10日の朝。強い日差しが照りつけ気温がグングン上昇する中、アドベンチャーワールドを訪れた子供からお年寄りまで約300人が、パンダの赤ちゃん「優浜(ユウヒン)」(メス)がいる飼育施設の出口に視線を注いだ。

 白と黒の模様が見えたとたん、「見えた!」「キャーッ、かわいい!」。来場者からは歓声が上がり、場内に「ハッピーバースデー」の曲が流れた。この日は「優浜」の1歳の誕生日。ファンにとっては逃せない記念日だ。

 「優浜」は同園で平成24年8月10日に産声を上げ、すくすくと育ち、今や体重は28キロ超と誕生時の167グラムから約170倍になった。

 ただし、同園ではパンダの誕生日は珍しくない。翌日の8月11日は双子の「海浜(カイヒン)」と「陽浜(ヨウヒン)」の誕生日。さらに23日は「幸浜(コウヒン)」、9月8日はこれも双子の「隆浜(リュウヒン)」と「秋浜(シュウヒン)」の誕生日だ。ここで生まれたパンダは実に12頭。そのうち11頭の父親が「永明(エイメイ)」だ。

 ■お父さんは63歳

 「パンダの年齢を人間に例えるなら、だいたい3倍すればいいです」。こう説明するのは、同園で広報を担当する高濱光弘・業務課長。父親パンダの「永明」は4年9月生まれで、まもなく21歳。人間に例えれば63歳。還暦を超えている。

 しかも永明はただ年をとった元気なパンダではない。パンダの世界では英雄なのだ。「世界でも10本の指に入る優秀なパンダです」と高濱課長は言う。

 実はパンダの本場の中国では、多くが人工授精の繁殖に頼っている。自分で交尾できるオスのパンダは貴重な存在なのだ。特に人工飼育下ではこうしたオスは少なく、基本的に自然交配で子供を作ってきたところが「永明」の優秀なところだ。

 また還暦の年になっても「優浜」を設けるなど、オスとしての強さも持ち合わせている。

 さらに、「性格が優しい」のも子だくさんの一因だ。パンダの繁殖期間は3月から5月までの間の数日。しかもパンダ同士の相性問題は難しく、メスに嫌われるとなかなか交尾できない。しかし「永明」は強引ではなく、メスの発情期に合わせられるという。

 かなりの優等生ぶりだが、飼育員にとっては気を使うことも多い。夏場の体調管理もその一つだ。

 また竹の好き嫌いが激しく、同園の飼育関係者は「新鮮だから食べるとか、そういう問題でもない。とにかく大量にある竹のなかから、気に入ったものしか食べない」という。

 そこで付いたあだ名が「グルメ」。例えば、都会の竹は車の排ガスが付いているのが気になるらしくNGで、大阪・岸和田の山中や兵庫・丹波篠山から竹を取り寄せるなどしている。

 「永明」が食べなかった竹でも他のパンダは普通に食べるといい、気に入るかどうかのポイントが分からないのも飼育員泣かせだ。

 ■お母さんは子育て上手

 一方、「優浜」の母親の「良浜(ラウヒン)」について、高濱課長は「子育てがうまくなっている。落ち着いて面倒を見てますよ。ちゃんと子供を抱きかかえて母乳をあげることができますから」と話す。人工授精と人工保育のセットが珍しくないパンダの世界で子育ては貴重な能力なのだが、これは「良浜」の母親の影響が大きいという。

 「良浜」の母親の「梅梅(メイメイ)」(20年10月に死亡)は15年9月に「隆浜」「秋浜」の双子を出産し、なおかつ世界で初めて双子を自力で育てた記録を持つ。

 パンダは双子を産むことが多いが、野生の状態ではどちらか1頭しか育てず、残り1頭はそのまま死ぬ。人工飼育下では、時には母親が子育てを放棄して2頭とも飼育員が育てることもあるが、「梅梅」は両腕に2頭を抱いて、同時に世話をしたり母乳をあげたりといった離れ業を演じてみせたのだ。さらに口に赤ちゃんをくわえて、人間でいうところの「高い高い」をしてあやしている姿も目撃されている。

 そんな様子を見てきた「良浜」も2頭同時はまだ無理だが、「子育ては自分でするのが当然」と言わんばかりの子煩悩な面を持っているという。

 ■ゆったり育てる

 こうした子育てをサポートするのが、同園の出産方針。それを紹介する前に、まずパンダの生態を説明しておこう。

 一般的にパンダは夏に生まれ、1年2、3カ月ほどで乳離れをして竹を食べられるようになる。ただしパンダはもともと食肉目(ネコ目、食肉類ともいう)で、繊維の多い竹をうまく消化できない。1日に20~30キロの竹を食べるが、それ以外の時間はエネルギー消費を抑えるためほとんど寝ている。体は本来、竹を食べるようにはできていないのだ。

 つまり赤ちゃんパンダが乳離れして竹を食べて生きていけるようになるのは、乳歯が抜けて永久歯に生え替わってからという。最短でも約1年2カ月、長ければ1年半。この期間は、新しい子供をみごもることなく、しっかりと育てさせようというのが同園の方針だ。

 一方、中国の繁育施設では1年に1回の人工交配が普通とされる。最初から人工保育なら親離れなど考える必要もなく、その方が個体数を増やすには手っ取り早い。同園があえてそうしない理由は、子供パンダがお母さんを見習えるようにするため。「育てられた期間が長いほど、母親の行動を覚えていて、いいメス、いいオスになる。わざと1年半、ゆっくりと子育てをさせるのです」(高濱課長)

 そのため「子作りは2年に1度」というルールを定めている。また、こうすることで母親パンダにも余裕ができ、次の子作りにも前向きになるというわけだ。

 ■個性派揃い

 次々生まれた和歌山・白浜のパンダたちだが、所有権は中国にある。同園は「繁育施設」のため、大人になったパンダは中国に返され、各地の「繁育研究基地」で結婚相手を探すことになる。

 すでに多くの子供たちは中国に渡り、現在白浜にいるのは「永明」「良浜」のカップルと、3歳の双子の「海浜」「陽浜」、1歳の「優浜」の計5頭。この子供たち3頭もそれぞれ両親に負けず個性派揃いだ。

 メスの「陽浜」は神経質で、屋外運動場でもひとりで遊んでいるのが好き。一方オスの「海浜」は甘えん坊。母親にいつもひっついており、「陽浜」と一緒にすると、かまってほしいのか、すぐにちょっかいをかけにいく。

 ひとりで遊んでいるのが好きなのは「優浜」も同じ。メスはみんなしっかりもので自立できている感じで、逆にオスは甘えん坊が多いという。それぞれ食べ物の好き嫌いはあるが、5頭の共通の好物はタケノコ。「生でそのまま、おやつとして与えるんですが、それはもう、すごくおいしそうに食べる」(高濱課長)。笹だけと思いきや、タケノコも。しかもちゃんと皮をむいて食べるというから、パンダの生態はまだまだ謎が多そうだ。