村上春樹の非常に完成度の高い作品
「海辺のカフカ」。
通称「海カフ」。
上巻第19章のエピソードを折にふれ
ては読み返す。
聡明な大島さんという人物とフェミ
ニストの女性二人組との論争が印象
深いがその果てに大島さんはこう言
う。
『ただね、僕がそれよりも更にうん
ざりさせられるのは、想像力を欠い
た人々だ。T・S・エリオットの言う
<うつろな人間たち>だ。その想像
力の欠如した部分を、うつろな部分
を、無感覚な藁くずで埋めて塞いで
いるくせに、自分ではそのことに気
づかないで表を歩きまわっている人
間だ。そしてその無感覚さを、空疎
な言葉を並べて、他人に無理に押し
つけようとする人間だ。』
さらに大島さんはこう続ける。
『想像力を欠いた狭量さ、非寛容さ。
ひとり歩きするテーゼ、空疎な用語
、簒奪された理想、硬直したシステ
ム。僕にとってほんとうに怖いのは
そういうものだ。僕はそういうもの
を心から恐れ憎む。』
うつろな人間たち。
妙に心に残る言葉だ。
大島さんがある問題を抱えているか
らこそ、よりこのセリフは重みを増
している。
気づかないうちに自分もうつろな人
間たちになっているかもしれない。
なるべくなりたくないと思う。だか
らいずれまた第19章を開くことにな
るだろう。
「海辺のカフカ」。
通称「海カフ」。
上巻第19章のエピソードを折にふれ
ては読み返す。
聡明な大島さんという人物とフェミ
ニストの女性二人組との論争が印象
深いがその果てに大島さんはこう言
う。
『ただね、僕がそれよりも更にうん
ざりさせられるのは、想像力を欠い
た人々だ。T・S・エリオットの言う
<うつろな人間たち>だ。その想像
力の欠如した部分を、うつろな部分
を、無感覚な藁くずで埋めて塞いで
いるくせに、自分ではそのことに気
づかないで表を歩きまわっている人
間だ。そしてその無感覚さを、空疎
な言葉を並べて、他人に無理に押し
つけようとする人間だ。』
さらに大島さんはこう続ける。
『想像力を欠いた狭量さ、非寛容さ。
ひとり歩きするテーゼ、空疎な用語
、簒奪された理想、硬直したシステ
ム。僕にとってほんとうに怖いのは
そういうものだ。僕はそういうもの
を心から恐れ憎む。』
うつろな人間たち。
妙に心に残る言葉だ。
大島さんがある問題を抱えているか
らこそ、よりこのセリフは重みを増
している。
気づかないうちに自分もうつろな人
間たちになっているかもしれない。
なるべくなりたくないと思う。だか
らいずれまた第19章を開くことにな
るだろう。





