SP 野望篇 | にゃ~・しねま・ぱらだいす

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ドコにもダレにも媚を売らずに、劇場・DVDなどで鑑賞した映画の勝手な私評を。

SP 野望篇 DVD特別版/岡田准一,堤真一,真木よう子


【監督】波多野貴文
【主演】岡田准一、堤真一、真木よう子、香川照之
【オフィシャルサイト】http://www.sp-movie.com/index.html

相変わらずTVドラマを見ない性質だが、『続きはスクリーンで』状態』という位置づけの作品らしい。
Security Policeという要人警護を目的とした警視庁のエリート軍団をメインにしたアクション活劇。
ドラマで世界観を知っていればこんなモノかもしれないが、中途半端なリアリティがちょっとイタイ。

警護課第四係のメンバーである井上は、五感や記憶機能の異常発達による特殊能力を生かし、
要人警護や犯罪の未然防止の分野で活躍していた。
一方、彼の上司である尾形は、現在の警察機構とSPのあり方に疑問を持っており、官僚として
要職に就く同じ大学サークルのメンバーと革命を起こそうと密かに画策していた。
井上の能力を高く評価している尾形は、彼を同志に引き入れようとするが、幼少時に両親を
テロリストに殺害された過去を持つ彼は、断固として拒絶する。
井上の能力を危険視する尾形は、官房長官の警護を担当した機に、彼の命を狙う-。

クールで骨太・政治ドラマを織り交ぜて、『24』のようなアクション活劇を作りたい。
その心意気はよく分かるのだが、脚本・演出・出演あと当然だが予算。
残念ながら、全てが劣化版にしかなっていない。嘘がヘタ過ぎるという全体の印象。

まずはあんなSPいないよね、という当然至極の話。
それは良いとしても身長の低いヤツ、どう見ても贅肉で太っているヤツ、胸がデカイだけのオンナ。
こんなのがエリート中のエリートとして抽出されているというのは、あまりにも現実味がなさ過ぎる。

あとはチープな脚本。
政界との癒着・パイプなどの描き方は良いとして、イイ歳をした大人たちが『革命』ってナニよw
隠密部隊を雇っているとか、自分達の同僚の命を狙うとか、主人公のありえない能力とか、
もう漫画レベルの設定のオンパレード。この世界観を現代社会に入れ込むのはちょっとなァ。

そして予算不足がミエミエの市街地戦。
安っぽいCG爆発の合成やら、正面きって襲撃しながら何故か銃を使わない暗殺部隊やら、
プロならもっと上手くやるだろうという違和感。

最近ありがちなドラマ映画と言ってしまえばそれまでなのだが、『カコイイでしょ』的な制作者側の
ナルシストぶりが画面からビンビン伝わってきて、まったく遊びがないところが少しイタイ。
真面目に取り組むことは素晴らしいことだと思うのだが、もう少し肩肘張らず余裕を持って頂けると、
見ている方も『日本のアクション活劇ならこんなものでしょ』と見られるんだろうが、とつくづく。

こういったモノを全て許せるドラマからのファン、あとは勿論岡田クンのファンならおkなのだろうか、
…と好きな人には申し訳ないのだが、ちょっとヒキながら見てしまったというのが正直なトコロでした。
しかし香川照之は本当に休みがあるのか、というくらいアチコチよく出演しているよねぇ。

しかしこれは壮大なる予告編で、本編は後半の『野望篇』らしい。
こういった商売の仕方もいかにもTV的でうーむと思っちゃうんですよね、卑屈な俺としては(ーー;)


【評価】
★★☆☆☆