- 東映
- 濡れた赫い糸
【監督】望月六郎
【主演】北村一輝、高岡早紀、吉井怜、奥田瑛二
とあるクラブで娼婦の一美に心を奪われた茂は、運送会社の仕事もやめ彼女との逃避行を図る。
一度は茂に同行した一美だったが、住み慣れた娼婦街『忍川』に一人舞い戻ってしまう。
なおを一美を追い続ける茂の前にヤクザの夫が出所、袋叩きにあってしまう。
一年後、ホストをやりながら売春組織に売れる女を物色していた茂の前に、恵利が現れる。
情緒不安定で時にエキセントリックな奇怪な言動・行動をとる恵利に、茂の運命は左右されていく-。
ヤクザ、裏家業、売春とダークな素材が揃えば、ここはやっぱり奥田瑛二しかないだろう。
女に慕われる娼婦街の元締めという、影がありながらも人間味が溢れるこの役は、
まず、この人のキャスティングを置いてはないだろう。
大病を克服し、脱アイドルを模索する吉井怜の怪演も悪くない。
物語に微妙にマッチしていないのは、彼女の演技力云々というより物語のトーン&マナーの問題。
彼女に匹敵するパンチのあるキャラがいれば、また見え方も違ってきたような印象。
…以上。あとはまったく見所ないです。
離婚明けの高岡早紀にはかつての張りがなく劣化だけが目立つし、
主人公の言動や行動には成長や進歩といった過程が見てとれないので、まったく感情移入できない。
例えて言うなら『アタマの悪いガキが不器用にその場その場で立ち回っている』だけ。
女衒を舞台にしている割にはエロ(誰も脱ぎません)もグロ(いかにもチープな作り物)も
サイケ(あんな中途半端な美術や衣装はサイケとは呼べない)もまったくないし、
低予算なのは理解できるが、フィルムの無駄な消費だけを重ねる邦画にはうんざり。
久々の大ハズシil||li _| ̄|○ il||li
【評価】☆☆☆☆☆