“ Chaiyya Chaiyya ”もしくは Inside Man
デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン、ジョディ・フォスター、 クリストファー・プラマーといった豪華キャストでも話題となっているスパイク・リー監督の新作「インサイド・マン」。
映画そのものは、中盤までのリズム感ある演出と時折見せるユーモアセンス、そしてマイノリティに対するスパイク・リーらしい視線と映画的引用といった具合に充分楽しめる映画になりかけていたのだけど、ジョディ・フォスターがしゃしゃり出てくる中盤以降、ストーリィの根幹を成すはずの犯行の動機が明確にされなかったが故に、今ひとつ説得力に欠けた仕上がりとなっていたのはなんとも残念だった。
ただそうした中、オープニングとエンディングに流れる曲が妙に気になって調べてみたところ面白い発見が。
実は自分のブログで映画の感想を書く際、いつも一緒に楽曲紹介もしているのだけど(これが、映画の感想を書くより時間がかかったりするのだ、トホホホ)、今回はどの曲を取り上げようかと思いつつ、この曲をちょっと調べてみると、このヒンズー語で歌われているこの“ Chaiyya Chaiyya ”なる曲は日本でも映画祭などで公開された98年のインド映画「ディル・セ 心から」(原題:Dil Se.. ) で使われた楽曲だということが判った。
そしてこの「爽快かつ軽快なリズムは、誰もが踊り出さずにはいられない」音楽、個人的には聴いているだけだと、まさにマックスダさんがやっている「ルビーナ」あたりでカレーを食べているような気分になるけれど、たまたま見つけたビデオクリップを観てびっくり。
さすがインド映画とでも言うべきか、前後のストーリィが不明のため何とも言えないけれど、とにかく結構なスピードで渓谷を走る列車の、しかも屋根の上で踊るという、ほとんど「踊るマハラジャ」状態のミュージカルシーンでこの曲が使われていて、とにかく観ていて何とも味わい深いのだ(笑)。
そしてここんとこ何故だかミュージカルが気になるものとしては、ミュージカルシーンさえなければ2時間で終わるのにと悪口を言われようと、突然歌って踊って独特のエンターテイメント振りを発揮するというインド映画にも興味が少し出てきたけれど、やっぱほとんどの映画が3時間というのはちょっときついかなあ。
ちなみに、ご存知 YouTube のこのサイトに行くとその動画が観れるので、是非!
http://www.youtube.com/watch?v=ANPU0piumlo&search=dil+se
『立喰師列伝』
「ヘッケル博士!
わたくしがそのありがたい証明の
任にあたつてもよろしうございます」
宮沢賢治「青森挽歌」
ボンソワー。流れ星☆犬太郎です。1000年に1度の「6・6・6」ということで、6月6日の公開初日に『オーメン』を観てまいりました。前述のシネモンド“ガンダム”スタッフを誘ったのですが、都合が悪いそうなので、またも女ひとりオーメン。そんなに人いないよねー、だってオーメンだし、と思っていたら、すごいお客さんが多くて、オーメンファンてこんなにいるんだ!と驚きました。内容は前のものとあまり変わらなかったので、それほどこわくはなかったのですが、隣の隣に座っていた女性が「ひっ!」と声を出して驚いていたり、要所要所でびくっ!と動くので座席に振動が伝わってくるという、なんていうか臨場感に溢れた感じでよかったです。初日の6・6・6の日だし、なにかプレゼントないかなーと思ったのですがなかったですねー。「666」マークのタトゥーシールとか貰ったら嬉しかったかも。腕の内側に貼っておいて、シネモンドの受付でおつりを渡すときにちらっと見える「666」の邪悪なあざ、、、オーメン!みたいな感じで使ってみたかったです。
さて、そんな感じで今日の映画は“大人アニメまつり”『立喰師列伝』です。これはすごい映画ですよ。星取りでいくと、エンタテインメント度:★、恋愛度:★、感動度:★(ある意味すごい感動するかも)、監督個性度★★★★★★★★★★みたいな、ものすごい作家性。多分、儲けようとかお客さんを楽しませるとかいう考えは皆無で、押井守監督が立喰について映像に残しておきたかった、とにかくこれをやりたかったんだ!という入魂の作品。子供にはすすめられない(大人も人によるかもしれない)なーという、シネモンド“大人アニメまつり”の中でも話題の1本です。
『立喰師列伝』(シネモンドにて6月17日から公開)
『攻殻機動隊』『イノセンス』の押井守監督、話題の最新作。デジタル写真をそのまま動かしてアニメーションにする技法と聞くと、2004年に観た大傑作『マインド・ゲーム』(この年のベストだったかも)を思い出しますが、そうではなくて側面に厚みはなくぺらぺら。本当に写真が不思議な動きをするアニメーションで押井守監督は「今まで誰も観たことのない映画になる」と言い切っている本作。立食い蕎麦屋などで、店主に蘊蓄をたれ、難癖をつけ、自らの話術のみを駆使して無銭飲食をする、つまり軽く犯罪者である立喰師たちを戦後から現代まで克明に描いた物語。アウトローでしかもその「ワザ」の部分で尊敬できる、という(ある意味)魅力的な伝説の仕業師たちを日本の戦後史と合わせてものすごく真面目に描いている。出演している人たち(ポップ・カルチャーの著名人大集合)も大マジのマジ助で演じているんだけど、なんか可笑しい、しかもどす黒い笑い、みたいな感じで素晴らしいです。個人的に寺田克也さんが好きなので、フランクフルトの辰は要注目でした。万人にウケる作品とはどうも思えないのですが、みなさま、ぜひぜひ見に来てください。
今晩(6/8深夜)はテレビジョンで『ポセイドン・アドベンチャー』を観るつもりです。現在公開中の『ポセイドン』は、なんだかストーリーがあっさりしていてあっという間に終った気がするので(水死体は半端じゃない数でてきますが)、昔のも見直してみるのでーす。オーメンも、見直してみたくなりました。
それでは、また!
Sr.BORRACHOの酔っ払いの戯言 第16回
来月7月の15,16,17日の3連休に開催される21世紀美術館での鈴木則文監督特集http://www.kanazawa-comcine.com/ 。 インタビュー嫌いな鈴木監督のご登場ということで、貴重です。鈴木監督の聞き手として柳下毅一郎さんもゲスト出演されます。柳下さんは『ホテル・ルワンダ』の元になった話も出ているルワンダ虐殺の克明なノンフィクション『ジェノサイドの丘』 の翻訳もされています。
現在特集に向けて鈴木則文作品を予習中なので、一日一本観ているところです。下記の作品はその一部。
『現代ポルノ伝 先天性淫婦』
題名だけでお腹いっぱいという感じだが、内容も『トラック野郎』なみに盛りだくさんだった。ミッション系女子高に通う処女(!)の池玲子(処女のくせに妹役の杉本美樹とレズ行為)が好色な母親の愛人にレイプされ、グレる。援助交際を続けるうちにイケメンの大学院生と知り合い、真っ当に生きていこうと決意するが、そんな時にその大学院生のフランス留学時代の女友達サンドラ・ジュリアン(フレンチ・ポルノ女優)がフランスからやって来た。池玲子と男を取り合うのかと思ったら、なぜかレズ関係に・・・以上が本編80分の3分の1くらいのストーリーです。
『徳川セックス禁止令 色情大名』
女嫌いで童貞の殿様が南蛮からきたサンドラ・ジュリアンに性の手ほどきを受けて色情大名に。庶民百姓がこんな楽しいことをするのはけしからんとセックス禁止令を出してしまう。怒った百姓は「やらせろー!やらせろー!」と一揆を起こす。エロ将軍と二十一人の愛妾も冒頭に登場する。
『忍者武芸帖 百地三太夫』
昔、5、6歳の頃に金沢にあったサニーランドという動物園で観て以来の鑑賞。記憶に残っていたのは主人公の村が襲われて生首がゴロンと転がるシーンと真田広之がやたら高いところから飛び降りるシーンだった。真田広之がジャンプする時のピューというマンガみたいな効果音がいい。
『聖獣学園』
なぜか今まで観たことがなかった傑作。修道院を舞台にハードコアSMが展開する。この映画が最初で最後のヌードの多岐川裕美はかなりかわいい。シリアス路線の作品だが、たまにたこ八郎が出てきて脱力ギャグをかます。
『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』
今回の特集での上映作品の1本。また観直す。雪の舞う金沢の日本庭園での池玲子(全裸)VSヤクザ多数の大立回りはかっこよ過ぎ。タランティーノは『キル・ビル』のvol.1でこういうことやりたかったんだろうけど、だったら上映時間は2時間超えるな!ほとんどの鈴木作品が90分以内のベスト上映時間。本作品に出演しているクリスチーナ・リンドバーグの『Thriller A Cruel Picture』(この作品のアイパッチに上下黒皮の主人公も『キル・ビルvol.2』のダリル・ハンナの元ネタ)は観ないといけないなあ。
上記の『現代ポルノ伝』や『徳川セックス禁止令』なども勿論今回上映したかったが、プリントがもう存在しないとのこと・・・。ちなみに鈴木監督デビュー作の『大阪ど根性物語 どえらい奴』もプリントはない、『恐怖女子高校』シリーズもないとのこと・・・、そして『パンツの穴』もない!今回上映する『文学賞殺人事件 大いなる助走』もどっかのアパートの押入れにあったカビだらけのプリントを丹念に時間をかけて復元したものだそうです。(プリントは大切に~)。『聖獣学園』は上映したかったけど、DVDが発売されたばかりだったのではずしたが、ちょっと後悔・・・。これらのことを踏まえて鈴木監督、柳下さん、駅前シネマの藤岡さん(鈴木作品のほとんどをリアルタイムで劇場で御覧になったという、まさに生き字引)、仙台セントラル劇場の小野寺さんにご相談し、選んだ作品です。企画した本人が全然観れていないという情けない状況なので、本当に助かりました!
あとは宣伝に本腰をいれないといけないのですが、雑誌での告知は来週発売の『実話マッドマックス』をはじめ、『映画秘宝』、『カミオン』(デコトラ専門雑誌)には鈴木監督のエッセイと一緒に載ります。
あと、昨日まで西島秀俊さんがシネモンドでの舞台挨拶のために金沢にいらしていたのですが、舞台挨拶を見に来ていたギャルたちに「今度、鈴木則文特集という素晴らしい企画があって、僕は全部観に来たいな」と宣伝してくれたそうです。いやあ、何ていい人なんだ!ギャルがたくさん来てくれるとうれしいなあ。
そして、西島さんは『悪魔のいけにえ』も好きな好青年でもありました。
映画ブロガーのひとりごと vol.15 kossy
第59回カンヌ国際映画祭が静かに幕を閉じました。
日本ではさほど盛り上がらないというのも、例年、日本国内で公開される映画が少ないという理由からでしょうけど、今年は日本からのコンペティション出品がなかったということもあるのでしょう。しかし、『バベル』では日本の役所広司も出演しているし、監督週間には西川美和監督・オダギリジョー主演の『ゆれる』が出品されています!などと言ってみても、やはり馴染みは薄いし、日本人がからんでいる映画はこの二本だけ・・・一昨年は『華氏911』や『誰も知らない』などで盛り上がって、昨年もその余波があったし、小林政広監督の『バッシング』などの興味深い映画も出品されたこともあって、ブロガーたちの間でも盛り上がってました。
今年は・・・と振り返ってみると、もっとも話題をかっさらっていったのは『ダ・ヴィンチ・コード』であって、コンペティション部門では意外な結果と驚く批評家たち。毎年審査員の顔ぶれも変わっていくので、賞を選ぶ基準さえ変わっていくような・・・この賞の結果だけは理解できないのですが、なにしろ観たことある映画は一本もないので何も言えません。日本にて封切りされるのも翌年のカンヌ映画祭の頃だし、リアルタイムで楽しむことさえできません。毎日のカンヌレポートなどを読んで「へ~、すごいね」と独り言をつぶやくくらいなのです。
そんなカンヌ映画祭に出品された映画も昨年のコンペティション作品が続々とシネモンドで公開。『ある子供』は終わりましたが、『マンダレイ』『アメリカ,家族のいる風景』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『ラストデイズ』『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』『君とボクの虹色の世界』etc...こりゃ、観たい映画ばかり。欲を言えば、『13歳の夏に僕は生まれた』と『隠された記憶』をとても観たくてうずうずしているのですが、どうなるんでしょう?
去年のカンヌ・グランプリを取ったジム・ジャームッシュ監督の『ブロークン・フラワーズ』がとうとう石川県では観れなくなったのでしょうか・・・しかも劇場では予告編をどんどん流して観客に期待させていたというのに。不吉な予感を感じ取った私は福井で幸運にも観れたからいいけど、悔しがってる映画ファンはかなり多いのではないでしょうか。せめて、中止なら中止ともっと早く告知してくれれば対処の仕方があるのになぁ・・・(と、観れなかった石川県ブロガーたちを代弁してみました)。
あ、そうそう、『バッシング』も早く観たい。
Y's Cinema Monologue (ブログ版) vol.18
先週はカゼでダウン。
今週は額に7針縫う怪我。
どうも、絶不調の波が襲っているようで。
傷口にはった絆創膏を隠すため、
帽子を目深に被っている怪しいオヤジを映画館でみかけたら、
それが私です。
幸い、額の傷は良好で日常生活には全く問題ないとの医者からのお墨付きで、
大手を振って映画を観させていただいております。
さて、その怪我をする前に観たのが、
今年一番の傑作であり快作、かつ怪作、
「嫌われ松子の一生」であります。
中谷美紀の中谷美紀による中谷美紀のための映画といっていいほど、
中谷美紀映画になっています。
前作の「疾走」でもヤクザの娼婦役で、その片鱗をみせていたのですが、
今回の松子役は、それを凌駕してあまりある熱演ぶりです。
本人もいっていますが、
ほんと、松子をやるために女優になった、その通りです。
また、「下妻物語」の鬼才中島監督の
CMでつちかったどの一コマも手を抜かないという姿勢が、
見事にこの映画にいかされています。
中谷美紀VS中島監督の派手なバトルがあったようですが、
このバトルが中谷美紀の大きな成長につながっているようです。
教師→暴力男と同棲→その男の自殺→その友人と不倫→破局
→ソープ嬢へ転身→ヒモを刺殺→刑務所入り→元教え子のやくざと同棲
→破局→ひきこもり→ゴミ屋敷→殺される
こんな悲惨な人生を華やかに演じきり、
かつ生きることの大切さを教えてくれたのは、
中谷美紀が松子を演じたからこそできたのではないでしょうか。
すいません、中谷美紀をほめすぎちゃいました。
で、sogoマニアさんには大変申し訳ないのですが、
「アンジェラ」は全然ダメでした。
最後まで、あのグズグズ男に感情移入できず、
私の大、大、大好きな、「グランブルー」「レオン」のころのリュック・ベッソンはどこへいってしまったのか、
大変悲しい気持ちになってしまいました。
最後に、5/19から5/31までの映画の☆取りを。(数字は今年の通算本数)
111.ナイロビの蜂 ★★★
112.テニスの皇子様 ★★★
113.ピンクパンサー ★★★
114.HAZE [ヘイズ] ★★
115.レッツ・ロック・アゲイン ★★★
116.夢駆ける馬ドリーマー ★★★
117.嫌われ松子の一生 ★★★★
118.アンジェラ ★
アンジェラ sogoマニア
監督引退作品と言われています。
私、リュック・ベッソン作品の中で「ANGEL-A」一番好きな作品です。
大人のファンタジーです。
しかもボロボロに疲れ切った人には心を潤す清涼剤になるはず。
レオンを思い起こすシーンがあって、パーフェクトなボディのアンジェラに、レオンのナタリー・ポートマンがかぶって見えたりして、思わず微笑んだ。
スーパーウーマンのアンジェラのアクションも圧巻。
なんてったって屈強な男を一撃で倒してしまう。
主人公のアンドレはアンジェラとは対照的に小さく、怯え、自分をクズだと思い込んで生きている。
常に右手をポケットに突っ込み、決して手を出そうとしないアンドレ。と言うより、ジャメル・ドゥブーズ。
彼は8歳の時に右手を失ったそうだ。
そのためか、人なつっこい表情の中に悲しさを感じてしまうのも、ジャメル自身の魅力なのかもしれない。
そんな外見的にも、内面的にも対照的で全く正反対な二人。
この二人が時には対立しながらも、大切なものを探り、つかもうとする。
正直、泣けるとは思わなかった。
でもクライマックス、不覚にも泣いてしまった。
シンプルな人間愛の映画。
モノクロの世界がカラー以上に心に響く。
私の大好きな「ユメノ銀河」も素敵なモノクロの世界。
そう、私はsogoマニアだから何でも石井聰亙監督作品に結び付けてしまうのです。
何故だかミュージカルしている今日この頃。
始まりはメル・ブルックス監督・脚本による1968年の傑作コメディを、舞台化して数多くの賞に耀いたミュージカル版を再び映画化した「プロデューサーズ」だった。
その想像以上の面白さに感じ入っていたところ、それならと仲良しの Y 嬢から未見のウディ・アレンの最初にして最後のミュージカル映画である「世界にアイ・ラブ・ユー!」を貸してもらい、ラストシーンで思わず感涙。
そうこうしているうちに久々に観たロジャー・コーマンの傑作をミュージカル化して大当たりとなった舞台劇の映画化「リトルショップ・オブ・ホラーズ」の馬鹿馬鹿しいダンシング・チューンにも心奪われ、
さらにさらにこれまた30数年ぶりに観たメル・ブルックスの「ブレージング・サドル」でかの" Springtime for Hitler (ヒットラーの春)"が流れてきて、つい感動したりと何故だかミュージカルしている今日この頃。
そんな中、またまた音楽もので凄い映画を観てしまった。
ご存知「嫌われ松子の一生」。
とにかくいろんな意味で「凄い」この映画、ヴィジュアル的にも、コンセプト的にも、脚本的にも、キャスティング的にもと、見どころてんこ盛りの作品なんだけど、物語の節目節目に登場してくるミュージック・クリップ的シーンの素晴らしかったこと。
木村カエラが歌うオープニングはボチボチだったけれど、それに続くBONNIE PINK がソープ嬢となって歌うまさに(ダブルミーニングの)バブルソング“ LOVE IS BUBBLE ”、AI が映画「シカゴ」さながらに女囚となって歌う“ What Is A Life ”、そして中谷美紀がキュートなダンスとともに劇団ひとりとの不倫のシーンで歌う“ Happy Wednesday ”などなど、楽曲の良さ、アレンジ、そして歌詞そのもので物語を語るというミュージカル的趣向も加わって、そのセンスの良さには本当に感心させられた。
そしてそうしたミュージック・クリップ風作りというのは得てして映画そのものから浮き上がることが往々にしてあるものだけど、それが見事に収まっているその居心地のよさは特筆ものだ。
なにはともあれ、中島ワールドが全面展開のこの作品、好き嫌いが激しく出る作品だと思うけれど、見ごたえ充分な作品であることに間違いないし、彼だったら本邦初のカルト・ミュージカルも撮ってくれそうな予感大だったりするのだ!
『ホテル・ルワンダ』
「一割間引き(デシメーション)」とは十人に一人を殺すことを意味するが、
1994年初夏、ルワンダ共和国では大虐殺によって人口の一割が殺された。
殺害はローテクなものだったが ―主として山刀(マチューテ)が使われた―
驚くべきスピードだった。
750万人の人口のうち、少なくとも80万人がわずか100日の間に殺された。
ルワンダ国内では死者100万人とも言われているが、
こちらの数字の方が正しいかもしれない。
ルワンダの死亡率はホロコースト中のユダヤ人のほぼ三倍に達する。
これは広島と長崎への原爆投下以降、もっとも効率的な大量虐殺だった。
(「ジェノサイドの丘」上巻 フィリップ・ゴーレイヴィッチ 著/柳下毅一郎 訳)
以前、「ダ・ヴィンチ・コード」の本を「でも、まー、あれでしょ?ニコラス・ケイジの『ナショナル・トレジャー』みたいな感じなんじゃないの?」と思い、ずっと買い渋っていた、流れ星☆犬太郎です。しかし、その後ananで劇団ひとりさんが、自宅でひとりの時は「ダ・ヴィンチ・コード」の原作本を自分で翻訳して読んでいる、というのを読み、そんなに面白いのか?と思って買って読みました。買って読みました。買って読みました。上下巻一気読み。そして、この映画化で初日に見ましたよ。なんだかんだ言って、そんなつもりはないけど、わたしってダ・ヴィンチ・コードファンていうのかな、これって、みたいな感じに思えてきています。米倉涼子と新撰組の山南さん役の人(名前失念)の出ていたダ・ヴィンチ・コードについて、みたいなテレビ番組も見ちゃってるし。
そして、その初日に見に行った映画『ダ・ヴィンチ・コード』ですが、おでこの極端に狭いオドレイちゃんと、そのとなりの人とのおでこの差がものすごくて、うわー、うわー、と思いましたよ。ジャン・レノは現在公開中の『ピンク・パンサー』が最高です。『ピンク・パンサー』すごいよかった、とこれだけ前ふりして全く『ダ・ヴィンチ・コード』の内容には触れないという。“ダ・ヴィンチ・コード”という単語を言った回数だけは、誰にも負けないわ、とか。そんな感じで今日の映画は『ダ・ヴィンチ・コード』、、、ではなく、同日にこれまた初日の初回で見た『ホテル・ルワンダ』です。
『ホテル・ルワンダ』(シネモンドにて6月9日までの公開)
ある日、突然となり近所で殺戮が繰り広げられていた、という実録ゾンビ状況映画『ホテル・ルワンダ』。しかも、殺害手段が主にナタのようなもの、という上記引用文から言えば恐ろしいまでのローテクさで、それを考えただけでも恐ろしい話。この映画はホラーじゃないからと、そこらへんはぼかして描いていましたが、それでもやはり一番恐ろしいのは血を流した死体ではなく、殺すほうの生身の人間、ということがよくわかります。“ルワンダ大虐殺”という言葉は聞いたことがあったけど、それがどのようなものかは、この映画が話題になるまで全く知りませんでした。なんでも知ることは大事だけど、この映画はことさら自分がその立場だったらどうするか、ということをよくよく考えさせられる映画です。結果的に1200人もの人を自分の命をかけて尽力し助けた、ということになりますが、最初は自分の身内だけでも助かるようにとか、虐殺の情報を間違って楽観視してたりとか、助ける手段がホテルマンとしての機転ということなど、ものすごく生身の人間ぽくて派手な筋肉ヒーローっぽくないドン・チードルの知的地味さが、とてもよかったです。シネモンドでは、年に数本だけの本当に珍しい3週間の上映期間となります。多くのみなさまに見ていただきたい作品です。お見のがしなく!
さてさて、キリストの性を描いて上映禁止になった国もある『ダ・ヴィンチ・コード』ですが、日本にも上映出来ていない映画ってものがあるだろーよ、とイッセー尾形さんが昭和天皇を演じたソクーロフ監督の『太陽』を思い出しました。それで久々にググッて検索をかけたら、「8月日本公開予定」と書いてあるのですが、これほんと?ほんとうだったら、ものすごく嬉しいのですが。
http://be.asahi.com/20060415/W14/20060324TBEH0010A.html
それでは、またー。
Y's Cinema Monologue (ブログ版) vol.17
かぜでダウンしてしまし、UPが遅れてすいません。
でも、遅れてるなと気がついた人はほとんどいないと思いますが。
で、つい先日のあるシネコンのチケット売り場でうしろにいた推定30代の女性2人組みの会話。
「嫌われ松子の一生」のポスターを見ていて
Aさん「あっ、私この映画観たーい」
Bさん「えーっ、私邦画観ない主義、嫌いなの」
Aさん「じゃあ、今やってるので何観たいん?」
Bさん「うーん、「陽気なギャングが地球を回す」くらいかな」
思わず「それ邦画じゃ」とつっこみたいのを我慢する私。
Aさん「ふーん、そう、私も観たい」
Bさん「今、あんまり観たいのないわ。私の映画観る幅すごいせまいげん。」
で、今日はなにを観るのかと思っていたら、
Bさん「海猿2枚」
「えーっ、観たいの結局全部邦画やん」と更につっこみたいのを我慢する私でした。
そんなこんなで、「LIMIT OF LOVE 海猿」が大ヒット。
自分がすすめた映画がヒットするというのはなんとなく気持ちのいいものです。
あらためて思うのは、邦画が面白いということ。
今後も邦画を中心にとりあげていきたいと思います。
で、今回紹介したいのは「あおげば尊し」
昨年の「トニー滝谷」に続く市川準監督の傑作です。
在宅で死をむかえようとしている父をもつ小学校教師。
その父もかつては教師で教え子から嫌われていたのか誰も見舞いにはこない。
そんな2人を支えるそれぞれの妻と教師のこども。
死体のサイトをみて、なぜみちゃいけないのかと問う生徒。
人が死ぬということをどう教えればいいのか迷った教師は、
父の在宅での様を生徒に見せようとし、父もそれを了解する。
はたして、生徒に人が死ぬということを正しく教えることができるのか。
とても、思いテーマを市川監督は風景を織り交ぜながら、淡々と描いていく。
このかざらない演出が感動を誘う。
あと、「寝ずの番」
人間でバカだけどいいなって感じる作品です。
堺正章VS中井貴一の艶歌合戦は圧巻でした。
この世界は受け継がれるべきものではないでしょうか。
最後に、5/4から5/18までの映画の☆取りを。(数字は今年の通算本数)
99.連理の枝 ★★☆
100.ニューワールド ★★★
101.エリ、エリ、レマ、サバクタニ ★★☆
102.アイス・エイジ2 ★★
103.トム・ヤム・クン ★★★★
104.寝ずの番 ★★★☆
105.ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女 ★★★
106.陽気なギャングが地球を回す ★★★
107.あおげば尊し ★★★★
108.白バラの祈り ★★★
109.ウォーターズ ★★★
110.明日の記憶 ★★★☆
映画ブロガーのひとりごと vol.14 kossy
全世界同時公開!
日本では通常は土曜日から新作映画が公開されるので違和感もないのですが、世界各国では土曜日公開ばかりじゃないはず。最近では、昨年の『宇宙戦争』、一昨年の『マトリックス レボリューション』などは同じく全世界同時公開でしたけど、平日にも拘らずレイトショーを観に行って次の日は眠い目をこすりながら仕事をしていた人が多かったのじゃないでしょうか。さて、5月20日土曜日。さすがに映画館は混雑してました。かなり前の方の席しか空いていませんでしたけど、許容範囲だったので前から5列目で鑑賞いたしました。しかもほぼ満員のため熱気ムンムン。初日の興行成績はどうだったんだろうと興味わくところです。
先日のnikidasuさんのプリント数の話も参考になりましたけど、石川県にある3つのシネコンでは字幕・吹替合計10本ものプリント数になるのですね。たしか全国での公開スクリーン数が683だとか・・・『ホテル・ルワンダ』の100倍ですか・・・すごすぎます!さすがに全世界で売れまくった小説が原作で、ロン・ハワード監督、豪華俳優陣となると、違います。しかも、カンヌ国際映画祭プレス試写会での酷評など、話題にことかかないニュースソースによって、宣伝効果も完璧。さらにテレビでも特集番組があちこちで放映されるなどして、各地で満員御礼です。しかしフタをあけてみると・・・といった『ダ・ヴィンチ・コード』ですが、私も乗り遅れまいと初日に鑑賞してきました。
「キリスト教を扱った映画は売れる」という法則でもあるのでしょうけど、B級のオカルトや異端宗教の映画は全く売れなかったりします。日本では尚更のこと。キリスト教宗教史についても初めて聞くことが多かったですし、何しろ“キリスト=人間説”は西欧においてタブーとされてきたこと。しっかりと予習しておかないと、置いてけぼりを食らってしまいそうな映画だったかと思います。
一方、シネコンでもスクリーンを独占してしまって、憂き目にあってる可哀想な映画もあります。これまたnikidasuさんの続きになりますが、『ブロークン・フラワーズ』は予告編を何度も流しているにも拘らず、現段階では公開日の予定がたってないとか・・・『グッドナイト&グッドラック』も一部雑誌に公開予定となっていますが、未定だとか・・・こうなると『かもめ食堂』もどうなるかわかりません。素人の予想ですが、『ダ・ヴィンチ・コード』の観客動員数如何によって、他の観たい映画を公開するかどうかが決まってくると思うのです。「酷評が増えれば観客数も減るだろうし、思いっきりネットで酷評してやれ!」などということはこれっぽっちも考えてないのですが、思いっきり宣伝して、第2週までに皆が観てしまう!という前向きの考え方はいかがでしょうか。う~ん、これもだめか。
富山・福井で公開しているのに石川で公開されない映画は、DVDを待つよりも仲間を募ってツアーに出かけるというのはどうかなぁ・・・と、そうはいっても石川県の映画館を応援します!!


