実話ベースという事ですが、そこからイメージを
膨らませ相当に脚色した内容となっております。
ただただラリッた熊に襲われる話なのかな?
と思っていたらホラーコメディの類でしたね。
監督は女優のエリザベス・バンクスです。
自身3作目の演出になるのかな?
見始めるとやはり女流監督らしい柔らかさが
滲み出ており、これが薬物と熊という組合せ
でどの様に作用するか見ものでしたが、旨い
引き出し方をしており、ちょっと毛色の違った
出来上がりになっておりました。
なんせ熊のCGの出来が非常に素晴らしい。
妙に擬人化もせず、野生動物としてきちんと
表現しようとしている演出プランが秀逸。
これがコメディ色を醸し出している全体像
に対し旨い具合に機能をしています。
無論ホラー系なので残忍な描写も許容はして
いますが、リアルな人間の切れ端や血飛沫も
正直あんまり気にならないという(笑)妙な
感じがしました。
で、脇で悪役を多く演じたレイ・リオッタの
遺作なんだそうです。
”ハンニバル”で自分の脳を刻んで喰わされた
描写がトラウマ過ぎて、彼と言えばこのシーン
ばかりが連想されます。
正直あんまりパンチ力は感じませんが、映画を
良く知っている人達が手堅くまとめた佳作です。
B級作だと思ってる人多いでしょうが、バンクス
が自分のツテを頼り、ソコソコのキャストで束ね
見映えが出る所迄落とし込んであるのに感心しました。