浅草キッド | Sound@Cinema

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劇団ひとり監督作”浅草キッド”、ビートたけしの

誕生物語と師匠の深見仙三郎との関わり合いを

描いた伝記映画でした。

 

ビートたけしを柳楽優弥、深見仙三郎を大泉洋が

それぞれ演じています。

 

 

 

 

兎に角、柳楽君よく頑張ってたなぁ、、、

物語の立ち上がりこそ硬さが見えた物の

深見師匠が登場し、徐々にビートたけしへ

変わっていく様は見事でした。不器用さを

上手く携えたままに深見師匠を教えを守り

芸人へと昇華して様は段々と本物に見えて

来るほどの出来栄えです。

 

過去にもテレビドラマなどで同タイトルの

ドラマ化はありましたが、人物造型は今作

が一番良かったですかね。

 

ただし、同じ時代を生き抜いて来た我々

世代に取っては昔の浅草の情景は脳裏

に残っているので、CGで合成されたあの

風景はちょっと別世界の様に見えました。

あの界隈はほとんど取り壊されて新たな

建物に様変わりしてしまい、浅草で撮影

したのはほんの一部分だったかな、、、

 

こればっかりは致し方ないんだけど、昭和

の猥雑さは余り醸し出せ無かったようです。

 

なので撮影で見切れに非常に気を配って

いる様な構図ばかりで、広い画が無いのが

ちょっと残念でした。今の人にはほとんど

気にならないとは思うんだけど、知ってる

だけにどうにもここはハマりません。

 

そして劇団ひとりのたけしに対する強固な

想い入れも加担し、この作り出したCGの

浅草の雰囲気も含め、何だか不思議な国

でのファンタジーの様な出来上がりです。

 

これはこれで令和の今、出来る事の最善の

選択なのかもしれませんが、昭和生まれの

おじさんに取っては最早あの光景が既に

無いという現実を突きつけられた気がしました。