公開に伴って、アントン・コービンの『コントロール』の記事をよく見かけます。
私も書いてますが。
で、気になったのが、“カンヌ映画祭カメラドール受賞”の文字。
ちなみに、カメラドールとは、フランス語で金のカメラの意味で、
新人監督賞のこと。
これを獲ると、今後もカンヌ映画祭ではかなり顔がきくようになります。
その後、順当にコンペに作品を出品できるようになれば、“カンヌ育ち”の称号が与えられます(非公式)
ちなみに、『萌の朱雀』でカメラドールを受賞し、去年は、監督賞を受賞した河瀬直美監督は、
バリバリのカンヌ育ちで、水準以上の作品を撮れば、敷居が高いといわれているカンヌに出品することは
そんなに難しいことではありません。
で、『コントロール』。
去年のカンヌの監督週間という部門のオープニング作品だった『コントロール』。私としても、カンヌの中でも期待の1本だったし、アントン・コービンと主演のサム・ライリーを単独でインタビューもした。
それゆえに、“カメラドール”を獲れなくて残念!という思いがあったので、受賞の文字にびっくり。
そこで思い出した!そう、カメラドールは逃したけれど、評判のよかったこの作品は、
カメラドールの枠で、スペシャル・メンション(現在のオフィシャルサイトでは、スペシャル・ディスティンクション)に
なっていますが…)を与えられたのでした。
下記がオフィシャルサイト
http://www.festival-cannes.fr/index.php/en/archives/awards/2007
まあ、いってみれば、次点といおうか、「受賞はならなかったけど、とてもいい」という評価。
でも、スペシャル・メンションやスペシャル・ディスティンックションが訳しにくく、意味も伝えにくい
日本では、なぜか、曲解して、“受賞!”と書かれていることが多いですね。
これってなんか、納得いかないけれど、
どっちにしても、カンヌの細かい賞なんて、誰も気にしていないってことでしょうか。