最初に宿泊した際、新聞のリクエストをNYタイムスにしたせいで、LAのビバリーヒルズにあるフォーシーズンズホテルでは、今も、なぜかNYタイムスを読むハメになってる。別に変えてもいいのだけれど、面倒なのでそのまま。

 LAタイムスは、ロビーに下りていけばもらえるので、不都合はないし。

LAタイムスもNYタイムスも日曜版は、拡大版になっていて、映画欄も充実。

 1月7日のNYタイムスでは、3人の専属映画批評家によるアカデミー賞ノミネーション予測特集が、なんと28ページにも渡って(広告ページ込みですが)組まれていました。


 で、この予測が個性的で面白いので、ちょっとご紹介を!

A・O・スコット氏

●作品賞                ●監督賞

「硫黄島からの手紙」          クリント・イーストウッド「硫黄島からの手紙」

「リトル・チルドレン」           オリバー・ストーン「ワールド・トレード・センター」

「リトル・ミス・サンシャイン」      アルフォンソ・キュアロン「トゥモロー・ワールド」

「パンズ・ラビリンス」          ギレルモ・デル・トロ「パンズ・ラビリンス」

「デイズ・オブ・グローリー」      ソフィア・コッポラ「マリー・アントワネット」


マノラ・ダグラス氏

●作品賞                ●監督賞

「硫黄島からの手紙」          クリント・イーストウッド ※上に同じ

「トゥモロー・ワールド」         デヴィット・リンチ 「インランド・エンパイア」

「インランド・エンパイア」        アルフォンソ・キュアロン ※上に同じ       

「ある子供」                ジャンーピエール&リュック・ダルデンヌ「ある子供」

「スリータイムス」            ホウ・シャオシェン「スリー・タイムス」


ステファン・ホールデン氏

●作品賞               ●監督賞

「硫黄島からの手紙」        クリント・イーストウッド ※上に同じ

「バベル」               ポール・グリーングラス「ユナイテッド93」

「ヘッディング・サウス」       トッド・フィールス「リトル・チルドレン」

「パンズ・ラビリンス」」        ギレルモ・デル・トロ「パンズ・ラビリンス」

「クイーン」               アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ「バベル」



「硫黄島からの手紙」は、全米を挙げての大絶賛なので、当然の結果ともいえるかもしれないが、

他のセレクションは、それぞれの趣味が出ていて、アカデミー賞予想というより、むしろ、個人的ベスト5といった感じ。


スコットが監督賞に「マリー・アントワネット」のソフィア・コッポラを推しているところなどは、個人的趣味。

NYタイムズのソフィア大絶賛記事は、この人が原因だったのか?


ところで、ギレルモ・デル・トロの「パンズ・ラビリンス」が12月後半から1月になって、グンと勢いをつけて、賞レースにちらほらと顔を出し始めたのは、嬉しい限り。

メキシコの鬼才のとったこの傑作は、06年のカンヌ映画祭で観ましたが、ジャンル映画っぽいつくりなので、通常ならば、賞にはなかなかからみにくい作風。まあ、アカデミー賞会員には、どこまでデル・トロくんの力量が理解されるか、疑問ですが……。