朝から、『敬愛なるベートーヴェン』組のインタビュー。ベートヴェン役のエド・ハリス、彼の写譜係の女性アンナ役のダイアン・クーガー、そしてアニエスカ・ホランド。とてもよく出来た映画で、評判もすこぶるいいせいか、監督、キャストともに話も面白い。こうしたインタビューは、映画の出来がよくないと、なぜだかみんな口が重くなり、ハナシがはずまない。みんな結構、正直です。
午後は、『オール・ザ・キングス・メン』のソニー仕切りのエクスクルーシブな記者会見に出席。ジュード・ロウは、欠席だが、ショーン・ペンはいつになく穏やかでご機嫌な様子。夕方からは、着替えて、『敬愛なるベートベン』のプレミア・パーティに配給会社Tのご一行と出かけました。場所は、シャネル・ブティック。俳優たちが到着するまでの間、シャネルの新作を物色しながら、ああだこうだとライターのNさんとともに、時間を潰す。1時間後ぐらいに訪れたダイアンは、膝丈のシャネルのタンクドレス。メタリックな生地で、重そうですが、バレリーナ出身の細い体によく似合っていました。


                         
                      エド・ハリス&アニエスカ・ホランド、ひとりおいてダイアン・クーガー。






 その後は、ジャパン・ファンデーションのパーティに出席。ポン・ジュノや是枝監督などが来ていました。帰りがけにLAの映画プロデユーサー、吉川さんに遭遇。吉川&細谷夫妻がプロデユースしているオムニバス・ホラー映画『トラップト・アッシュ』の脚本家で映画評論家のデニス・バルトックを紹介される。いわゆるB級オタクの彼は、例にもれず、イタリアやイギリス、日本のホラーにも詳しくて、話が面白かったです。
 その後、ひとりでブルース・ウェーバーのパーティへ。NYとマイアミを拠点とするブルースは、トロント映画祭の常連で、今回は映画祭の依頼で、新作ではないが『レッツ・ゲット・ロスト』を上映した。ブルースのフタッフによると、インタビューを受けるのはあまり好きじゃないブルースは、ティーチインーー上映の後の質疑応答ーーは好きなのだそう。ブルースと直接、映画の話たければ、映画祭の上映に駆けつけることをお勧めします!
 場所は、イタリアン・レストランsotto sotto。 なんと昨夜来たイタリアン・レストランの下だった!ブルース組みのトロントのお気に入りのレストランのひとつだそうです。ウッディでジャジーな感じがいかにもブルース・ウェーバーらしい。
 着席ディナーと聞いていたので、ちょっと心配しながら30分遅れで到着すると、まだ、アペリティフを楽しんでいる。欧米のパーティはいつもこんなものだけど、根っからの日本人なので、開始時間にちょっとでも遅れると不安になってしまう。1,2分後にブルースの映画を配給しているキネティック組みがやってきたので合流。知っている顔がほとんどいなかったから、ほっとする。
着席でのディナーが始まっても、ブルースは、あちらこちらのテーブルを回り、にこやかに談笑している。その見事なホストぶりに感心する。日本だったら、巨匠は、上座に座ったままで動かないのが普通。アシスタントのエバをはじめ、スタッフたちも、事前に腹ごしらえをしているのか、自分たちはワインだけを片手に、ずっとテーブルを回リ続けている。その徹底したもてなしの精神がすごいです!見習わなければ。
 ずっと睡眠不足なので12時を回るともう限界というところで、HanWayのスタッフに会い、ベルトルッチの新作の話で盛り上がり、足止め。13時ちかくにやっとひとりでレストランを出ました。
 ホテルへ戻ったら、マスカラが落ちて、目の周りが黒かった。ウォータープルーフを使っているのに、眠い目を知らず知らずにこすったせいだと思うけれど、長時間のときはいつも落ちてしまう。誰か、ホントにホントに落ちないマスカラがあったら、教えて欲しいです。