本日は、フランスの女優マリー=クリスティーヌ・バローの生誕80周年です。
(1944年3月21日生誕)
それを記念して、彼女の作品を紹介いたします。
『モード家の一夜』(1968)
六つの教訓話第4話
監督 エリック・ロメール
主演 ジャン=ルイ・トランティニャン、フランソワーズ・ファビアン、マリー=クリスティーヌ・バロー
撮影 ネストール・アルメンドロス
【あらすじ】
地方都市クレルモン=フェランに赴任した“私”は教会で若いブロンド髪の女性フランソワーズに心奪われる。
私はクリスマスが近づく頃、再開した友人に誘われて女友達モードの家で一夜を過ごす
異なる考えを持つ黒髪のモードに誘われ、彼女に強い魅力を感じる私だが…。
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初期ロメールの傑作です。
なんという美しい作品でしょうか。
ネストール・アルメンドロスによる、ハイキー撮影によるコントラストの強い画面が、雪や海辺や教会を女優とともに捉える撮影の素晴らしさ。
自然光を重視する彼の撮影方法は、少しノスタルジックな印象を与えながらも、人物を美しく浮き上がらせます。
1950年代以前のスタジオ撮影での映画にはない、新鮮な光を見ることが出来ます。
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フランソワーズ役のマリー=クリスティーヌ・バローの美しさは、ただごとではありません。
この映画がデビューとなるマリー=クリスティーヌ・バローは、フランスの名優ジャン=ルイ・バローの姪にあたります。
(また、ロジェ・ヴァディムの6番目の、そして、最後の妻でした)
TV映画での出演が多く、日本で公開されている映画は、この作品のほかには『さよならの微笑』(1975)、『スターダスト・メモリー』(1980)があります。
それにしても、この映画での彼女の美しさたるや...
この撮影の素晴らしさは、ロケ撮影にもかかわらず、照明が的確であることに起因していると思います。
上からの照明が強いと、彼女の額や眉毛の影が出てしまうのですが、アルメンドロスの撮影はそれを回避しています。
なお、同じマリー=クリスティーヌ・バローの別の作品(『さよならの微笑』)では、ロケ撮影ですが、眉の影がやや出てしまっていて、魅力が失われているように思います。
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ところで、ロメールの映画は、一貫して「会話のドラマ」ですが、延々と続く会話劇に映画的な愉しみや可笑しさを紛れ込ますのが、ロメールの特徴です。
この作品もそうです。
ロメールの映画術のような優雅さは、ハリウッドはおろか、フランスの映画界でもそうはいないと思います。
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なお、もう一人の主演女優、フランソワーズ・ファビアンについてはコチラ:
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