キングスマン:ファースト・エージェント 2021年 英・米 131分 ★★★★★ | 新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

映画が大好き。都内千代田区在住です。

評価は5段階で
★★★★★ 最高! 面白い! もう1回見たい!
★★★★  オススメ 見ておくべき1本です
★★★   普通かな? 見て損はない
★★    うーん、ちょっと微妙かな?
★     つまらん

原題: The King's Man 監督はマシュー・ヴォーン。
「キングスマン」の前日譚である。英国ロンドンのサビルロー11番地にある高級仕立屋「キングスマン」を本拠地とするエージェント集団がいかにして生まれたのかを、第一次世界大戦前夜の陰謀渦巻くヨーロッパを舞台に描く。
主演のオックスフォード公爵をレイフ・ファインズが、息子のコンラッドをハリス・ディキンソンがそれぞれ演じる。

実に面白かった。予告編の出来がよろしくなかったので、全然期待していなかったのだが、すごく良く出来ていて驚かされた次第。
レイフ・ファインズは「007」でボンドの上司Mを演じているが、その彼がエージェント組織の生みの親となって八面六臂の大活躍をするというのは興味深い。
全編が見せ場の連続。脚本も秀逸で見ごたえのあるストーリー。息子のコンラッドとの触れ合いなど、人間ドラマとしても一級である。
ところで、007ジェームズ・ボンドや本作のオックスフォード公のようなスパイやエージェントの存在意義とは何だろう? それは一言で表すと「戦争の阻止」であろう。本作は第一次大戦を阻止しようと奮戦するオックスフォード公の活躍を描いた作品なのである。

セルビアの皇太子の暗殺がきっかけとなって第一次世界大戦がはじまるのだが、何とかこの戦争を早期で終結させるため、彼は知略の限りを尽くす。具体的にはロシアとアメリカに工作するのだが、レーニンを始め、怪僧ラスプーチンや女スパイのマタハリなどの歴史上の重要人物が何人も登場する。
彼にはコンラッドという一粒種がいるのだが、コンラッドは軍人になり、自ら最前線に向かう。戦場でのシーンも迫力とリアル感がある。尚、全編を通じてやや残酷なシーンがあるので、PG12のレイティングとなっている。
敵の組織「羊飼い」の黒幕はいったい誰なのか?というミステリー要素も絡めて話は進行する。女性の登場人物は少なくて、オックスフォード公の使用人であるポリー役のジェマ・アータートンくらいだが、特に気にならない。

クライマックスは、羊飼いの本拠地である断崖絶壁の要塞。ここへ単身で乗り込むオックスフォード。納得の結末であった。
エンドロールの最後に映像がある。続編が示唆されているので、大いに楽しみである。