人気ドラマの劇場版。ゲイのカップルのお話。
シロ(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)は恋人同士。一緒に暮らしている。シロは弁護士。几帳面で料理好き。健二は美容師。明るくて飾らない性格。この2人を巡る日々の出来事が比較的淡々と描かれている。そこには取り立てて大きなドラマは無い。
美味しそうな食べ物がたくさん出てくるのがこの作品の売りである。この劇場版においても、リンゴのキャラメル煮やローストビーフ、おせち料理などの料理がレシピ(シロの独白)とともに紹介されている。なるほど確かに美味しそうだ。
話のほうは取り立てて面白いものではない。ドラマの無いのがドラマだから。シロの母親がケンジの存在を良く思っておらず、正月に2人で一緒に帰省できないなどといった大した事でもないエピソードが続く。
2人とも妄想が強くて、お互い要らぬ勘ぐりをする。ゲイと言うのはかなり嫉妬深いのかな?だとすると僕から見ると非常に面倒な関係である。これも西島と内野の演技力の賜物である。
原作の漫画やテレビドラマ版のファンにはとても楽しめる作品なのだろうが、僕は全く予備知識がなく鑑賞したので、2人の周囲の人たちとの関係もよくわからず、面白さを充分には理解できなかった。
それにしてもこういう映画がメジャー作品となり、そこそこ以上のヒットとなっているのは、やはり時代というものだろう。ちょっと前まではこうしたBLの世界は一部の腐女子の特権だったはずだから。その意味では同性愛も市民権を得て、生きやすい世の中になったと言えるのではなかろうか。