ロバート・A・ハインラインの古典SFを原作とするタイムトラベル物。監督は三木孝浩。
舞台は1995年の日本。若き天才ロボット科学者の高倉宗一郎(山崎賢人)は、亡き父の親友の娘・璃子(清原果耶)と愛猫のピートと充実した日々を送っていた。が、会社の共同経営者 松下と婚約者の鈴(夏菜)に騙され、会社を乗っ取られてしまう。失意の宗一郎はコールドスリープで30年後の2025年に目覚めたのだが…
結論から言うとなかなか頑張ったとは思う。ハインラインによる原作は名作の誉れ高く、これを映画化するのは(しかも日本映画として)、なかなか勇気がいったことだと思う。ちなみに僕は原作を持っている。原作は1970年のアメリカが舞台で、30年後の2000年と行ったり来たりする。
なぜ本作は1995年を舞台にしたのだろうか?
1970年と2020年の間をとって1995年に落ち着いたと言うことだろうか? もし舞台を2020年にしてしまうと30年後は2050年。未来描写が難しい、あるいは金がかかりすぎるという事情なのだろうか?
2025年の世界で宗一郎は人型ロボットのピートと行動共にする。ピートを演じるのは藤木直人であるが、彼の名演技が印象的。作品の面白さに寄与したと思う。
さて宗一郎は今度はタイムマシンを使い1995年の日本に戻る。そこでの彼の行動が未来を変えるというか未来を作るのである。タイムパラドックスの扱いについてはごく普通とだけ言っておこう。
作品全体を通じて無国籍的な雰囲気が漂う。これは世界セールスを念頭に置いてのことだろう。主演の山崎健人は普通の出来。またヒロインの璃子を演じる清原果耶が僕には大して魅力に感じられなかったのが惜しい。