レボリューショナリー・ロード
(2008年)時代は1950年代。
アメリカ郊外の一軒家に住むある夫婦の物語です。
レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの共演、ということで、華々しく印象の映画ですが、内容はうまくいかなくなった夫婦の関係を描いたとても切実なもので、胸が締めつけられるようでした。
セリフが多く、聞き取りやすいきちんとした英語なので、勉強にはいいと思うのですが、重々しい気持ちになります(^^;

映画のあらすじ(ネタバレあり)と英語のセリフ
ディカプリオ演じるフランクと、ケイト・ウィンスレット演じるエイプリルは、周囲の人々が憧れる美男美女の夫婦。
フランクはかつて冒険心あふれる若者だったけれど、今では家族を養うために普通のサラリーマンとして働いている。
エイプリルは舞台女優として芽が出ず、子どもができて家庭に入った。
2人とも若い頃には人生に対する夢や情熱を抱いていて、自分たちには輝かしい未来が約束されているように思っていたのに、現在の生活は退屈で平凡そのもの…
エイプリルがフランクに「私たちは特別な人間であるはずなのにそうじゃない」と言います。

"be based on~" = ~を元にしている
"superior to ~"= ~より優れている
"bring into~" = (ある状態に)もってくる
自分たちは特別な存在で、他の人々より優れているはずなのに、現在の生活はそうじゃない。
随分うぬぼれ屋のように聞こえますが、エイプリルは美人で聡明で、元女優で、周りから特別視されてきた女性だから、ずっとそう信じてきたのですね。
だから平凡な人生をどうしても受け入れられない。
そこで夫であるフランクに、パリに行こうと持ちかけます。
パリには本当の人生があるに違いないと信じて。
フランクは「それは現実的ではないよ」 It's not realistic. と言います。
エイプリルは「現実的でないのは今の生活よ」と主張します。

"year after year" = 何年も続けて
"can not stand" = 我慢できない
"be unable to ~" = ~することが不可能である
エイプリルはこう決めつけて、パリ行きを説得します。
ただ、フランクの方は現在の安定した生活を捨てることに抵抗がある。
家族を養う責任もあるし。
上司に昇進を持ちかけられ、それなら今の生活を続けても悪くないと思う。
エイプリルはそんな夫に幻滅してしまいます。
彼女としては、自分の夫が平凡なサラリーマンであり、生活が退屈であることに耐えられないのですね。
彼女はパリ行きをためらうフランクを責めます。

夫に対して自分の夢や過剰な期待を押し付ける妻と、その妻にこたえたいと思いながらも、そうできない夫。
この時代では女性は家庭に入ったら良い主婦になるしか選択肢がなくて、エイプリルは夫に夢を託さざるを得なかった。
エイプリルは自分を幻滅させた夫をもう愛すことができなくなってしまう。
彼女は火のような情熱を持った女性で、それが彼女の美しさでした。
平和な家庭の主婦という役割にはおさまることができなかったのだと思います。
若い頃の夢の幻滅は、多かれ少なかれ誰もが経験することかもしれないけれど、彼女の場合は病的なまでに思いつめてしまう。
主演の2人は熱演で、ぎりぎりのところで試行錯誤しながらも、夫婦の関係が崩壊していくさまは見ていて胸がひりひりするほど痛々しい。
エイプリルは人生に対する絶望を深めていきます。
"destined" = 運命づけられている
夫の居場所=自分たちの家庭、のはずであるのに、それをどうしても自分の居場所とは思えないエイプリルの心情が哀しい。
子どもたちの存在感がまるでインテリアか何かのように希薄なのは、彼女の心情を表しているのでしょうか。

ケイト・ウィンスレットの虚ろな表情の中にみえる、底知れない絶望と、その凄み。
ラストの悲劇を引き起こすことになります・・・