ストレンジャー・ザン・パラダイス
ジム・ジャームッシュ監督が、若者たちの気だるい日常を、おかしみとペーソスを交えてモノクロの映像で映し出した作品。
特にドラマティックな展開などはなく、ゆる~くストーリーが進んでいきます。
この雰囲気が合うかどうかで、好き嫌いがわかれるかもしれません。
映画のあらすじ(ネタバレあり)
ハンガリー出身のウィリー(ジョン・ルーリー)はニューヨークに住んで10年になります。
彼はハンガリー名を捨てて、親戚とも縁を切り、ニューヨークっ子になりきろうとしています。
しかしある日、アメリカのクリーブランドという町に住むおばから連絡があり、16歳のいとこのエヴァがアメリカに住むためにやってくるといいます。
おばは入院しなければならないので、ウィリーがエヴァの面倒を10日間だけみなければならなくなります。
「子守なんていやだよ」とげんなりしていたウィリーでしたが、実際にエヴァが来てみると結構気が合い、そのうちに仲良くなります。
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英語のセリフ、評価
ウィリーと、年下のいとこのエヴァとの微妙な距離感がよいですね。
ウィリーがエヴァにプレゼントを買ってきたシーンがおかしいです。
彼らの会話のセリフです。
ugly
醜い
why don't you ~
~してみたらどう?
try ~ on
~を試着する
dress
(動詞) 服を着る
エヴァはそのドレスが気に入らず、結局
This dress bugs me.
「このドレス、イライラするわ」
と言ってあっさり捨ててしまうのが、おかしかった。
bug は 虫 を指す単語ですが、口語の動詞で ~をいらいらさせるという意味で使われます。
さて、おばが退院してエヴァが出て行ってしまうと、ウィリーは寂しく感じます。
そこで彼は親友のエディーを誘って、クリーブランドにまで彼女に会いに行くことにします。
3人は再会を喜び合います。
しかしクリーブランドに行ったからといって特にやることもなく、おばの家でテレビを見たりカードゲームをして時間をつぶすだけ。
「せっかくクリーブランドに来たんだから何かしようぜ」とエディーは言いますが、やることも思いつかず、そのうち単調な毎日に飽きてしまいます。
ウィリーとエディーの会話のセリフです。
stick around
(口語で)このあたりにいる
「新しい場所に来たのにみんな同じに見える」
このエディーのセリフにはなんだか笑ってしまいました。
彼らはこの後フロリダへ向かうのですが、どこへ行っても同じに見える、どこへ行ってもやることがない、退屈感。
そんな若者の倦怠感が独特のゆるい雰囲気の中に描かれています。
でもやけになる感じではなくて、のんきでチャーミングなんですよね。
その独特の空気感が好きな作品です^^
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