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※ネタバレはありません。
泣いたせいで観終わった後、頭痛かった作品です(笑)
『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの監督が贈る、2014年正月映画の中で珠玉の一本。
中学生の頃から山崎貴監督のファンやってて本当に良かった(笑)
日本で過去最高の販売部数300万部を叩き出した同名小説が原作ですが、個人的には映画の方が圧倒的に良かったんで大分驚いています(笑)
逃げ回ってでも生きて還る────そう誓ったスゴ腕パイロットの祖父が、何故特攻を決意するに至ったのか。
50年の時を経て、現代に生きる彼の孫がその謎を解き明かしていく物語。
百田尚樹さんの原作を結構前に読んだのですが、正直に言うと原作を読んだ時は『何故これがこんなに売れるのか分からん…』という感じでした。
それは単に百田さんの文章が自分にはハマらなかっただけなんだと、今は思います。
ストーリー自体は映画観てボロボロに泣かされたので…(笑)
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■『永遠の0』あらすじ
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司法試験に落ち続け、人生の目標を失いかけた青年・佐伯健太郎は祖母の死をきっかけにある事実を知らされる。
実の祖父だと思っていた賢一郎とは血のつながりがなく、本当の祖父は太平洋戦争で特攻により戦死した宮部久蔵という人物だというのだ。
フリーライターの姉・慶子は、雑誌での終戦六十周年記念の記事プロジェクトの依頼をうけ、その祖父について調べる事を決める。
そして、アシスタントとして暇を持て余している健太郎に協力を依頼する。
久蔵について調べ始めた2人だったが、どれだけ取材をし、存命の元戦友達に話を聞いても『海軍一の臆病者』、『誰よりも命を惜しむ人だった』などの証言しか出て来ない。
取材や調査に嫌気がさし、もうこれで最後にしようと思っていたところで一つの驚きの証言が得られる。
『宮部さんは、それはそれはもう
凄腕のパイロットでした────』
凄腕のパイロットでした────』
その証言を皮切りに、徐々に明らかになっていく祖父の実像。
やがて戦後60年にわたり封印されてきた驚きの事実にたどり着く。
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■役者の魅力
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とにかく脇を固める役者さん達が素晴らしいという前提があって、そこに岡田君が素晴らしい演技を披露しているのが良い。
◆宮部久蔵 / 岡田准一
◆佐伯健太郎 / 三浦春馬
◆松乃 / 井上真央
◆佐伯慶子 / 吹石一恵
◆清子 / 風吹ジュン
◆賢一郎 / 夏八木勲
◆井崎 / 橋爪功(青年期:濱田岳)
◆武田 / 山本學(青年期:三浦貴大)
◆景浦 / 田中泯(青年期:新井浩文)
◆大石 / 染谷将太
◆長谷川 / 平幹二朗
この中でも後半の宮部久蔵は鬼気迫るという言葉がピッタリな様子なんですが、その時の岡田君の演技が素晴らしい。
岡田くんは『SP 野望篇・革命篇』や『図書館戦争』など、やはりアクションが素晴らしいんですが、そもそも大河ドラマに抜擢される程、演技がうまい!
以前にご紹介した『FLY,DADDY,FLY』『お・と・なり』『陰日向に咲く』など、多彩な演技を披露しています。
なんかあのキリっとした表情や立ち姿など、監督達が撮りたくなる気持ちが分かる気がする(笑)
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■ラストシーン
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本作、とにかくラストシーンが素晴らしい。
冒頭・本編・ラストシーン、この三つの組み立て方がうまい。
その中でも最後が一番ドラマチックですね。
ノーラン監督の得意とする手法を取り入れたラストは非常に印象的な仕上がりで、観る者の心を鷲掴みにします。
全て物語を飲み込んだ上で、改めてタイトルを観るときちんと理解できるというか、しっかり腹に落ちる、とだけ書いておきます。
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■ゼロ戦~監督
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戦争映画というジャンルは中々挑むのに勇気がいるかもしれません。
確かに史実ではあるけれど、大河ドラマとは違い、未だ生き証人がいて、中途半端なリサーチじゃいけないし、現在もその影響が色濃く残り、描きようによってはまだまだイデオロギー的に反発の強い場合がありますからね。
本作では実際に零戦に乗って出撃されていた方に、零戦の戦闘がどんなものだったかパイロットの方々に話を聞き、現場ではパイロットが飛行中どんなGに晒されるかをアドバイスしたり。
後はどんな空中の乱戦がどんな光景だったのかなどを監督はアドバイスしてもらい、CG制作中の参考にしたそうです。
結果、零戦の飛行シーンや戦闘シーンは拘って作られ、非常にリアルで迫力ある映像になっています。
そんな拘りをもって映画製作をした監督をご紹介。
何気にこのブログで初登場となってしまいました…山崎貴監督!!
中学生の頃『ジュブナイル』を観てからファンなんです。
これは小学生という時期特有の甘酸っぱさやワクワクが詰まった、SF大作でした。
『リターナー』も当時、大興奮で観ました。
こちらは当時では珍しい本格的なSFアクションでしたね♪( ´▽`)
『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が前半は良い部分もたくさんあったのに、後半「えぇぇぇぇぇ!?」っていう展開にどんどんなっていき、演出として正直もっといけたのに…と思う点が多々ありました。
その影響で山崎監督への期待と、原作読んでの期待の低さもあったのかもしれませんが、自分の中で山崎監督の沽券復活!
いやー、良かったです。
やはり昭和や昔を描かせると強い(笑)
三浦春馬の表情に十数回NGを出したり、何十時間もヘリに乗って空撮をし理想の雲を撮りに行くなど、こだわりを見せています!
先日発表されましたが、次回作は『寄生獣 PART1 & PART2』との事。
なんかここまでエグいテイストのものは彼の作品の中で初めてなので、内容自体にまだ興味は持てないですが観たいと思います。
★伝説の漫画「寄生獣」を山崎貴監督が2部作で映画化!染谷将太×深津絵里が参戦
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■映画の構成~田中泯・濱田岳・井上真央
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様々な人が、『宮部久蔵』という人物のある一点からある一点への様子を知っていて、それを孫である宮部のところへ集約していく事で、初めて一つの真実に繋がる映画構造。
分かる人には結構展開が分かるし、事の真相も二転三転するものではありません。
けれど、映画の創りの巧さなんでしょう、分かっていても泣ける。
『ALWAYS』シリーズと同じで、とてもベタをやっているんだけど響くっていう、ね。
そして、宮部と対立する景浦という人物の過去パートを新井浩文が、現代パートを田中泯(みん)が演じています。
この景浦と宮部の関係や描写が迫力があるんです。
宮部が特攻を決めた時、景浦は憤り宮部に掴みかかります。
そこで景浦もある決意をするのですが、その独白シーンが、現代と過去のパートのカットを細かく割ってテンポ良く重ねていく形を取っています。
この独白での鬼気迫る田中泯の演技を最大限に表現していて、ベタだけど非常に適した編集だなーと思いました。
この田中泯という役者さん、『龍馬伝』の吉田東洋役、『たそがれ清兵衛』の余吾善右衛門役、『隠し剣 鬼の爪』の戸田寛斎役など、威厳ある役をやらせたらピカイチで好きな役者さんです。
今度は、今夏ワーナー配給の二部作で大公開されるアクション超大作『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』で翁役を務めます。
あとは、歳に対して全く似つかわしくないベテランオーラをまとった現場癒し系俳優・濱田岳(笑)
現場でイジられキャラの才能を発揮しているみたいですね(笑)
そして、なんと濱田岳と岡田くんは今年の大河ドラマ『軍師官兵衛』でも共演!
楽しみです!
もちろん井上真央ちゃんは可愛いし演技上手いしね~。うますぎるしね〜。
各役者さんの演技が素晴らしいというのはドラマとして何をもってしても強いなぁと思います。
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■主題歌
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サザンオールスターズが手掛ける本作の主題歌。
♪♪蛍 / サザンオールスターズ
サザンオールスターズ名義で映画の主題歌を手掛けるのは、なんと23年ぶりという事で非常にレアな事ですね。
もうね、感涙必至。
この映画用に書き下ろした楽曲なので、エンドロールで聴くと歌詞が非常に沁みるんです。
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■あとがき
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2013年末~2014年お正月は、映画界はゼロファイトの様相を呈しています。
『ゼロ・グラビティ』と『永遠の0』
どちらを観ても後悔しませんが、個人的には後者を推します。
スペクタクルな映像とドラマは劇場で観る価値がありますよ。
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■予告編
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