№7

日付:2004/4/29

タイトル:キル・ビル Vol.2 | KILL BILL VOL.2

監督・脚本:Quentin Tarantino

劇場名:シネプレックス8平塚シネマ6

パンフレット:あり(\800)

評価:-

 

この2作目の冒頭、棺桶ごと生き埋めにされるシーンがやたらにリアルで、観ているこちらの息が詰まりそうになった覚えがあります。前作の破天荒さが影を潜め、随分と真面目な復讐劇だったような。

 

2024年3月31日

WOWOWシネマ(2024/3/29)放送分を鑑賞前日に放送されたVol.1も改めて観返しました。

タランティーノ監督の世界観は、とても魅力的な部分とどーしようもないと思える部分とが同居していて、Vol.1は後者ばかりが鼻に付いてしまった。

日本を舞台に伝説の刀匠が打った名刀で日本のヤクザを蹴散らす姿は、まるで来日した外国人観光客が大喜びしている、相撲レストランで元力士を名乗る相撲レスラー同士の申し合いのようでもあります。あの“紛い物”感を、私はどうしても許容出来ない。

Vol.2ではその勘違いじみた東洋讃歌(?)の矛先が日本ではなく中国大陸方面に向いた分、マイナス要素が減って満足度が上がっているのかもしれません。

 

ユマ・サーマン演じる“ブラック・マンバ”が「殺すリスト」に載せた5人を一人ずつ始末していく本作は、改めて観返すと、Vol.1とVol.2は完全に一続き。前作ラストで衝撃の事実が明かされ、復習の舞台を再びアメリカ大陸に移した後編は、彼女が剣の達人なだけでなく、中国拳法も嗜んでいる事が判明。

主人公が教えを乞う修行先の老師は人格者と相場が決まっているのですが、さに非ず。まぁ殺し屋に技を伝授するような輩ですからね。後半のバトルが急に“少林拳”風になるのが笑っちゃいますが、多勢に無勢の立ち回りよりはタイマン形式のバトルの方が粗が目立たず見応えあった。

 

色々文句垂れてますけど、シビれるところはシビれる作品。布袋さんの曲なんて劇中流れるのはほんの僅かで、あれでテーマ曲って言えるのか?と思っちゃいますが、その使い方があまりにも見事。

D.キャラダインによると本作は「クンフー・サムライ・マカロニ・ウェスタン・ラブ・ストーリー」なのだそう。大好きな東西のB級作品をオモチャのように自分の世界に展開させているタランティーノ監督の本領が発揮されている作品には間違いなさそうです。

 

vs "COTTONMOUTH" O-Ren Ishii (Vol.1)

 

vs "COPPERHEAD" Vernita Green (Vol.1)

 

vs "SIDE WINDER" Budd

 

vs "CALIFORNIA MOUNTAIN SNAKE" Elle Driver

 

vs Bill

 

パンフレット

・イントロダクション
・ストーリー
・キャラクター
・コラム 蓮賓重彥
・クエンティン・タランティーノ監督インタビュー
・ユマ・サーマン インタビュー
・デヴィッド・キャラダイン インタビュー
・ダリル・ハンナ インタビュー
・キャスト・プロフィール
・タランティーノ欠席裁判 石井輝男×杉作J太郎×ギンティ小林
・プロダクション・ノート
・『キル・ビル』はタランティーノ監督にとっての「子連れ狼」だ! 町山智浩(映画評論家)
・スタッフ・プロフィール
・コスチューム・デザイン
・『キル・ビル』辞典 vol,2
・音楽
・クレジット
・ソングリスト

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