№8
日付:2024/2/11
タイトル:リバー・ランズ・スルー・イット | A RIVER RUNS THROUGH IT
監督:Robert Redford
劇場名:シネプレックス平塚 screen3
パンフレット:あり・中古(\400)
評価:5

 

午前十時の映画祭13」での5本目の観賞作品。日本公開は1993年9月だから、もう30年以上前の作品になるのか。機会あればと思っていたR.レッドフォード監督作品。

モンタナ州の田舎町を舞台にした、とある一家の物語。レッドフォード監督は後に「モンタナの風に抱かれて」という作品も主演・監督していますが、この地に思い入れでもあるのだろうか?

 

牧師の父を持つ兄弟がこの土地で過ごした日々を、年老いた兄が振り返る。真面目な兄とやんちゃな弟というよくある構図で、兄ノーマンの弟への愛情と羨望が入り混じる視線と共に語られる。

“想い出”という形で2人の少年時代からの人生の移ろいを描きながら、常に彼らと共にあった自然豊かな川と釣りを、今も昔も変わらないこの土地の悠久の象徴として位置付けている。

 

スコットランド系の移民を祖先に持つマクリーン家は、レッドフォード監督の出自とも一致しているらしい。移民達の開拓精神による街の成り立ち、宗教、人種の問題といった、日本人の日常には馴染みのないアメリカ社会の一面に触れつつ、レッドフォード監督同様にリベラルな立場のブラピ演じるポールの存在感が際立つ。人気に火が付いたのがよーく判ります。

 

時代に左右されない、アメリカという大地の普遍的なドラマを描いている一方で、1912年からの20年ほどの時間の流れで描かれるのは当時の白人社会。モンタナ州は元々白人の比率がとても高いのだそうですが、そういうのが気になるのも昨今の風潮が影響しているのかもしれません。

アカデミー賞は3部門(脚色、撮影、作曲)にノミネートされ、撮影賞でオスカーを獲得。日本ではキネマ旬報の読者選出第1位に選ばれていました。

 

 

 

 

 

 

パンフレット(メルカリで\390で購入。状態良)

・イントロダクション

・原作について

・リバー・オブ・ドリームス 川本三郎(評論家)

・解説

・物語

・死の天使に魅入られたヒーロー 大橋美加(ジャズ・ヴォーカリスト)

・エコロジカルな映像はフライ・フィッシング・スピリット 佐々木ヒロ子(広島県内水面委員)

エンドロールで「一度たりとも魚を傷付けたり殺したりしたことはありません」とクレジットされているそうです。この頃からそういう問題にセンシティブだったのか、釣り好きの監督なりのメッセージだったのか。ただ魚の体力を奪うキャッチ&リリースという行為を正当化する事には個人的に違和感を禁じ得ません。

・キャスト

・スタッフ

・クレジット