№39
日付:2023/10/31
タイトル:北極百貨店のコンシェルジュさん
監督:板津匡覧
劇場名:109シネマズ湘南 シアター9
パンフレット:あり(\1,000)
評価:5

 

「あれ?面白そう♪」

TVの映画コーナーで紹介されていて、その動きや絵柄に惹かれて劇場に足を運びました。

擬人化された動物達しか訪れない、懐かしさ漂う百貨店(日本橋高島屋風)を舞台に、新米コンシェルジュの成長を描いたお仕事アニメ的作品。

この不思議な客層の百貨店の成り立ちについては、終盤サラッと触れる程度で良く判らない点も多いまま。こちらも原作を試し読みしてみたところ、出だしはほぼ原作通りの展開だった。

 

原作:西村ツチカさん

 

百貨店を訪れるお客の期待に応えようと奮闘し、時に空回りもする彼女の悪戦苦闘ぶりをユーモラスに描きながら、ほっこりとさせるエピソードを積み上げつつ、最後はホロっとさせてもくれる。

文科省選定作品に申請すれば間違いなく選ばれそう。私が小学校の教師なら、クラスの子全員を引き連れて観に行きます。上映時間70分も丁度良い。アニメ化する上でディテールにも拘ったのが良く判る。良い作品なんだけどなぁ、、、


漫画を動かすって、それ自体が一つのロマンでもあります。そしてこの点において今の日本アニメは実に巧み。「BLEACH」なんて、アニメ化された当初と比べると同じ作品とは思えないくらい進化している。先日山崎貴監督がBSのTV番組で、日本におけるアニメ制作の状況について「セルっぽい作品がこれだけ覇権を握れているのは日本独自の状況」であり、「やっぱり日本は浮世絵の国なんだ」と評していましたが、最大の理由は手書きの漫画を原作とする作品の隆盛にこそあり、それが最大の魅力でもあるからだと言えます。フルC.G.の世界では決して再現できない独自の世界がそこにある。

 

本作もそんな日本アニメらしさ一杯の作品。ただ、興行的に成功させる為の最後のピースが足りないような、そんな気掛かりは残りました。

 

 

 

 

 

パンフレット

・ストーリー&イントロダクション
・原作者コメント
・スタッフ・インタビュー 板津匡覧監督
・キャラクター
・スタッフ・インタビュー 大島里美(脚本)
・スタッフ・インタビュー 森田千誉(キャラクターデザイン・作画監督)
・キャスト・インタビュー 中村悠一×大塚剛央×川井田夏美×飛田展男
・キャスト・インタビュー 藤原夏美×川井田夏美×藩めぐみ
・キャスト・インタビュー 福山潤
・スタッフ・インタビュー 広瀬いづみ(コンセプトカラーデザイン)
・スタッフ・インタビュー 田中宏侍(撮影監督)
・フロア・ガイド
・キャスト・インタビュー 諸星すみれ×川井田夏美×津田健次郎
・キャスト・インタビュー 寿美菜子×家中宏
・キャスト・インタビュー 入野自由×花澤香菜
・キャスト・インタビュー 村瀬歩×陶山恵実里
・キャスト・インタビュー 花乃まりあ×七海ひろき
・キャスト・インタビュー 氷上恭子
・キャスト・インタビュー 清水理沙
・北極百貨店の動物学 新宅広二(動物行動学者)
・コンシェルジュの“おもてなし”の精神 敷田正法(元高島屋コンシェルジュ)
・音楽 tofubeats
・主題歌 Myuk
・クレジット

と、やたらと声優さんへのインタビューが多い

チラシ

入場者プレゼントのオリジナルフィルムコマ風しおり